女性技術者育成へ けんせつ小町対象に集い 工事現場を見学 NEXCO東日本

 建設業で働く女性「けんせつ小町」を対象にした現場見学会・講演会・意見交換会が10日、富山県朝日町の北陸自動車道リニューアル工事「城山トンネル補強工事」の作業現場、糸魚川市大町1のヒスイ王国館で開かれた。地域の女性技術者19人が参加し、仕事への関心を深め女性同士で交流の輪を広げた。

 集いは東日本高速道路(NEXCO東日本)新潟支社上越管理事務所が実施。人材不足が深刻化する中、女性技術者の育成と技術力向上、女性の活躍推進に寄与することなどを目的に企画した。

 県建設業協会糸魚川支部、県糸魚川地域振興局、糸魚川市、NEXCO東日本グループから19人が参加。実施に当たり参加団体、同工事を施工する大林組(本社東京)、県内の建設・土木業で働く女性のネットワーク組織「にいがた土木女子会議」が協力した。

 北陸道朝日インター―親不知インター間はリニューアル工事のため、10月29日まで終日対面通行規制が行われている。一行は現在閉鎖中の城山トンネル下り線(新潟方面)内の約500メートル区間で、路面隆起による土圧を抑止する「インバート」の設置工事を見学した。

北陸自動車道リニューアル工事「城山トンネル補強工事」の現場を見学する地域の女性技術者

 地元建設会社の女性技術者(21)は「トンネルの現場は初めて。埋設のスケールや、コンクリートを養生する管理方法などに驚いた。自分もいつか大きな現場を経験できれば」などと感想を話した。

 ヒスイ王国館での講演会は、女性キャリア育成などで先進的な取り組みを進めている大林組から、女性技術者3人が「多様な働き方へ」「ライフイベントにあった働き方」「家庭・育児と仕事を両立する秘けつ」と題して話した。「育児に夫を巻き込む」「平日は家事をしない」など、人生の先輩の体験談、アドバイスが関心、共感を呼んでいた。

 意見交換会は「女性の活躍、定着促進のためには」をテーマに対話を楽しんだ。

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