「メイド・イン・朝鮮」、最高品質を表すメダル 「量より質」の実践、国レベルで評価

経済制裁が続く朝鮮でも、消費者が「量より質」を求めるようになって久しい。消費者たちの製品選びの基準の一つになっているのが「12月15日品質メダル」だ。最も良質かつ国際的競争力を持つ製品に授与される。

メダルの日付は、金正恩総書記の労作に由来する。2012年12月15日に発表された労作のテーマは「生産と建設における品質向上」。

朝鮮は、外国に依拠しない自立経済の確立を目指している。自国の原料・資源・燃料に基づく国産品の開発・生産は最重要課題だが、近年は需要充足にとどまらず、人々により良い暮らしを提供するため品質追求に重点が置かれている。生産現場では、「先質後量」(まず質を追求して次に量を求める)というスローガンが掲げられている。

国産品に与えられる最高権威のアワード、「2月15日品質メダル」は、2014年に制定された。国家品質監督委員会が主管し、年に1度、受賞製品が発表される。

選定基準は、▼国際認証を得た製品で、世界的な競争力を持つ製品▼設備、原料、資材の国産化が実現され、人民生活の向上に実質的に寄与する製品▼先端技術を導入し、国内外で独占的地位を占める製品――などの6項目から成る。

メダル受賞第1号の平壌酒(C)朝鮮新報

メダル受賞第1号は、大同江食料工場で生産される「平壌酒」。朝鮮を代表する焼酎で原材料はトウモロコシとコメ。2012年に食品安全規格のISO22000を取得、同年10月の朝中経済貿易文化博覧会にも出品され、高い評価を得た。

14年度にメダルを授与された大同江ビール(C)朝鮮新報

朝鮮国内はもちろん、海外でも愛飲される大同江ビールも14年度にメダルを授与された。大同江ビールはISO9001を08年に取得している。

初期の受賞製品では食料品が目立つが、近年は軽工業品が存在感を強めている。

柳原シューズ工場の児童用と大人用の運動靴(C)朝鮮新報

17年度は小中学生用の通学カバン、18年度は運動靴や男性用スキンローション、19年度は国産の衛生陶器製品にメダルが授与された。これらは、国内で人気商品になっている。

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