柴咲コウ、環境問題をテーマにした「地球クライシス2021」のナビゲーターに挑戦

柴咲コウが、BS朝日で9月26日放送の「地球クライシス2021~気候変動 壊れゆく世界~第2弾」(午後9:00)のナビゲーターを務めることが分かった。柴咲は自然環境との調和を目的にした製品や事業を展開する会社を立ち上げ、2018年には環境省の環境特別広報大使に就任。そんな環境に強い関心を持っている柴咲が、環境問題をテーマにした番組をナビゲートするのは初めてのこととなる。

同番組は、今年3月に放送されたスペシャル番組の第2弾。気候変動の世界の現状を描いたイギリス・BBCのドキュメンタリーと、番組独自の取材映像を見ながら、地球の今と未来を、気象予報士・依田司氏、気候科学者・江守正多氏と共に考えていく。

昨年から北海道へ移住を進め、有機栽培農業などにも取り組んでいる柴咲は、VTRを見ながら熱心にメモを取り、「幼い頃から自然への尊敬の思いがあって、自然と消費のバランスが取れているのかという疑問がありました。北海道の自然の中で暮らしていると、地球温暖化の影響が都会よりもダイレクトに感じることがあります。気候変動はこれまで地球の歴史の中でも何度もあったことと言われてきましたが、今は、気候変動は自分たちのせいだったと突きつけられている。これからは本気で考えていかないといけないと思います」と力を込める。

また、ソロモン諸島での海面上昇の実態については「島の人たちが直接の原因を作ったわけではないのに、被害者になってしまう。その事実を私たちはどう受け止めるのか。数センチの海面上昇は小さいと感じるかもしれないけれど、その積み重ねで、島が消えてしまう。自分たちの経済で自分たちの首を絞めてしまう。それが、いつ自分たちに降りかかるか分からない」と深刻な表情を見せた。

さらに、温暖化は日本の食卓にも大きな影響を与え、2100年には「コシヒカリがなくなる」という衝撃の独自取材もあり、「今夏は北海道でも、気温36℃を超し、全く雨が降らない。ジャガイモ、タマネギが不作で、地元の方も『こんなことは初めてだ』と言っていました」と、実体験も交えて話し、今回の番組の中で一番衝撃だったのは、日本の森林での異変ということで「初めて知る事実がありました。私たちの食卓に並ぶご飯にも影響があって、それが目の前に迫っていることも感じ取ることができました。根本的な解決は一筋縄ではいきませんが、どんどん議題に上げる、話し合っていくことが大事だと実感しました」と多くの人が問題意識を持って、議論を重ねていくことの重要性も感じている。

収録を終え、柴咲はあらためて「私は環境に関して発信している方だとは思うのですが、どうしたらもっと受け取る側の方々にも自分事として受け取ってもらえるか、という思いがあリました。今回の特集は、われわれ人間一人一人が自分事として向き合うべき問題を取り上げています。自分たちの食卓も変わってしまうし、自分たちの生活も変えていかないといけないと感じることができました」と大きな学びがあった様子。

そして、依田氏は「柴咲さんが北海道で暮らしていらっしゃるということで、非常に知識が豊富でした。日本に住んでいると、自分の目の前のことしか気が付かないのですが、この番組は海外でどんな異常気象が起きているのか、どんな影響が出ているのか、目で見て、すぐに分かる、非常にいい番組です。最新の IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書が出たばかりで、江守先生の貴重なお話が大変勉強になりました」とコメント。

江守氏も「海面上昇で島が沈むのは、その人のせいではなく、先進国やわれわれのCO2(二酸化炭素)のせいだという話に、柴咲さんがものすごく反応してくださったことが非常に良かったです。これは気候正義と言いまして、世界的に問題になっているいわば人権侵害なんです。日本では話題になることが非常に限られているので、このことが皆さんに伝わるといいと思いました」と期待を寄せる。

進行を務めた八木早希は「海面上昇についても遠い国で行われていることと想像できなかったですが、誰かの故郷がなくなるんだ、という実感が湧きました。これは、遠い島の話ではなく、日本にも迫っている。自分自身の問題として捉えられるいい機会になりました」と語った。

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