スズキ ハスラーが人気車種になれたワケとは!? その答えは安すぎる価格設定と豊富なカラーバリエーションにあった

軽SUVというジャンルを確実なものとしたのはスズキ ハスラーだ。2013年に初代モデルを投入以来、大ヒットとなっている。さらには、ダイハツからライバル車「タフト」が登場するなど、軽SUV市場は大盛況という状況だ。でも一体なぜハスラーはここまでヒットを記録することができたのだろうか!?

スズキ ハスラー × 林紗久羅

世界的な小型SUVブーム直前に絶妙なタイミングで現れた初代ハスラー!

スズキ 初代ハスラーが登場したのは2013年のこと。現在は世界的なSUVブームとなっており、国内外問わず各メーカーがとくにコンパクトSUVを投入しているという状況だ。

初代ハスラーと同年にデビューしたのがホンダ 初代ヴェゼルだ。このモデルの大ヒットを受けて、のちにヤリスクロスやキックスといった今大人気のモデルが生まれたと言っても過言ではないのだ

だが、2013年当時の国産コンパクトSUVといえばホンダ 初代ヴェゼル、あるいは日産 ジュークといった程度で、これから盛り上がるか? といった状況であった。要するに初代ハスラーは投入時期は絶妙なタイミングだったのだ。

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ハスラーヒットの要因はデザインと豊富なカラバリにあり

可愛らしい丸目ヘッドライトの採用だけでなく、カラーバリエーションが豊富なのもヒットの要因だ。またJスタイルと名付けられた特別仕様車もヒットを牽引した

もちろんハスラー自身の魅力も人気車となった理由のひとつだ。とくに丸目ヘッドライトを採用したうえ、当時は軽自動車でほとんど採用例がなかった2トーンカラーを用意するなど豊富なカラーバリエーションも大きな要因である。

初代ハスラーはワゴンRより安かった! ヒットの要因は価格設定も大きかった

初代ハスラーの内装はボディーからによってはボディと同色のインテリアとなるなど、凝ったデザインが特徴であった。それでいえ105万円〜という価格設定であったのだ

そしてハスラーがワゴンRをベースとしているだけでなく、価格設定も見事であったのだ。ハスラーのような派生モデル、とくにクロスオーバーSUVモデルは高い価格設定となることが多いが、当時のワゴンRと比べてもほとんど価格差は存在しなかったのだ。

ちなみに初代ハスラーのデビュー当時の価格は104万8950円〜157万6050円であったのに対し、ベースのワゴンRは108万2160円〜150万120円となっていた。クロスオーバーSUVにもかかわらず、ワゴンRよりも安いグレードも存在したほどなのだ。

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豪雪地帯ユーザーも納得! かつてあったKeiの後継モデルとしても人気に

かつてスズキは1990年代後半〜2000年代前半にかけて「Kei」というモデルをラインアップしていた。じつはこのモデルはハスラーと似たコンセプトを持つクロスオーバーSUVモデルであったのだ。ハスラーほどのヒットとはならなかったものの、北海道などをはじめとする豪雪地帯でとくに人気を誇ったモデルである。

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長らく後継モデルが不在であったが、10年以上の時を経て投入

軽自動車としては車高が高かったうえに、大径タイヤを装着していたKei

Keiの販売期間は比較的長く、1998年〜2009年と10年間もラインアップされていた。豪雪地帯のKeiオーナーは販売期間が長ったために、同じモデルを乗り継ぐひとも人も相当数いたという。その要因としてはKeiの後継モデルが存在しなかったことに尽きる。そのためスズキとしては是が非でもKeiの後継モデルが必要であったのだ。

そして14年の時を経て2013年にハスラーが投入されたと言うワケだ。都内近郊のスズキディーラーによれば「ハスラーが登場した際はKeiからの乗り換えも数多くいた」と語るほどなのだった。

まとめるとスズキ ハスラーがここまで大ヒットを飛ばすモデルと慣れた要因は、豊富なカラーバリエーションと価格設定。そして過去のモデルユーザーの受け皿となったことも大きな要因なのだった。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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