【スターダム】団体のキーマン直撃! ロッシー小川EPが語る他団体、今後のスターダム

ロッシー小川EP(右)とシンデレラ・トーナメントを優勝した上谷沙弥

女子プロレス「スターダム」の勢いが止まらない。10月9日に女子では26年ぶりとなる団体初の大阪城ホール大会を控え、年内にはまだまだビッグマッチが控えている模様。2回にわたりお届けするロッシー小川エグゼクティブプロデューサー(64)インタビューでは葉月の復帰、負傷離脱したジュリアの今後の見通しについて語った前編に続き、後編では他団体、そして今後のスターダムについて激白した。

【ロッシー小川EP・インタビュー後編】

――続々と加入選手があり選手層も厚くなった

小川氏 今は26人くらいかな。理想の人数? 何人というか、今いる選手が成長していくことが大事。その結果、もっと多くなるなら(団体を)2つにという話にもなるだろうし。スターダムのライバルをスターダムがつくるじゃないけど。

――サイバーファイトの高木三四郎社長は「東京女子プロレスを業界ナンバーワンに持っていく」と宣言している。他団体は意識するか

小川氏 いま2番手がいない状況で、早くどこか出てこないかなというのがある。なかったら団体内で2番手をつくるしかないのかなと。東京女子とスターダムはプロレスの本質が違うので、それを超える超えないは違う話。東京女子は東京女子の世界観があるので、それでお客さんをどうやって増やすか考えればいいと思う。ただ、そこから流出している選手もいるので、何なんですかね。

――昨年は東京女子を主戦場にしていた白川未奈、ウナギ・サヤカ、なつぽいがスターダムに加入した

小川氏 スターダムも選手が多くなったら多くなったで選手内のサバイバルが始まる。どっちにしろ選手は大変なんです。安住の地はない。

――10月9日に大阪城ホール大会を控える

小川氏 過去、全日本女子プロレス時代に5回やっているんですよ。全部現場にはいました。当時はクラッシュギャルズの人気が一番高かった時期にやってた時があって、その時は会場を見回す余裕もなかった。とにかく人がすごくて。ゆっくり会場の雰囲気を見てみたいですね。

――女子では26年ぶりの進出だ

小川氏 我々の世代にとって、かつては日本で一番のビッグな会場だったので感慨深いんですけど、今の人はどれだけ思い入れがあるのかな。今は新日本プロレスしかやってないので。

――カード編成も気になる

小川氏 年末、年始までの大まかなスケジュールが決まっているんですけど、決まっているとやりやすい。出しどころが分かるので。確かにビッグマッチが多いけど、今のスターダムの選手の名前を上げるのが大事。大物選手が参戦するとかではないので。この中でいかにやっていくかという感じです。

――ビッグマッチが多いと編成も大変なのでは

小川氏 これって出し尽くすとまた湯水のように出てくるんですよ。ためていてはダメ。それに計画していたことがどんどん変わっていく。ケガとか選手の状況があるので。ほぼその通りにはならないですね。

――3月3日の日本武道館大会はタイトルマッチの他、ジュリア対中野たむの髪切りマッチがあった

小川氏 大阪城は赤(ワールド)と白(ワンダー)のタイトルマッチを中心に。日本武道館は10周年のメモリアル的な要素があったのでOGとか出たけど、今回は今の最前線を見せることになる。他団体(参戦選手)はあったとしてもそこまでではないと思う。

――次の10年はどうなるか

小川氏 私がどうなっているのかが一つのカギじゃないですか(笑い)。年齢的な問題もあるし。私が去ったらスターダムそのものが変わっていくと思うし。それが今後において一番の問題じゃないかな。選手は入れ替わっていくけど、指揮を執る人間が代わると違うものができるから。「スターダムテイスト」って自分が10年間、つくってきたから。旬を見逃さずに抜てきするという。私の目の黒いうちは(東京スポーツ新聞社制定)プロレス大賞を取り続けますよ。

――チャレンジしたいことは

小川氏 ブシロード体制になって一番の願いはビッグマッチをやるということだったけど、それはかなっているじゃないですか。次は次世代の育成、スターダムジュニアじゃないけど、キッズではなくティーンの若い層に取り組みたいですね。

――最後に

小川氏 スターダムは他の団体と競合してやっているわけじゃないので、比べてもしょうがないと思うんですが、今の女子プロレスのスタンダードをスターダムがさらに大きく築いていきます。それにスターダムを見れば「女子プロレスのデパート」じゃないけど、いろいろな女子プロレスが見られるのを売りにしたい。専門店じゃなくデパート化ですね。もちろん戦いの本道を忘れずにいきますよ。

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