【スピードスケート】高木美帆の決意「きれいな滑りではなく、勝ちにいく滑りをあの場で」

目指す北京五輪について語った高木美帆(アフロ/JSF)

スピードスケートの女子500メートル世界記録を持つ高木美帆(27=日体大)が14日、合宿を行う長野・菅平で取材に応じた。

夏季の氷上練習を終え、現在は陸地でトレーニング。「氷上を離れているので実戦したことを確認できないからこそ、一つひとつの練習の質を上げていくことにフォーカスしています」。充実した練習をこなしつつ、課題に取り組む日々。現在の心境を「東京五輪が終わったことで、急に周りの空気も冬にシフトチェンジされたなって思って、また気が引き締まる感覚」と表現した。

18年平昌五輪では金・銀・銅メダルを獲得。あれから4年が経過し、北京五輪へ向かう中で微妙な「心の変化」も感じている。「言葉で表現するとなると説明が難しくて…」と、いつものように慎重に言葉を選び、こんな胸の内を明かした。

「平昌五輪の時は『どこまで駆け上がっていけるか』っていうのが自分の中にあった。前のシーズンから成績が上がって『さあ、どこまでいけるか』ってところで戦っていた。今回はそういう期間とは違うなって感じているんですけど、逆に言うとしっかりと『こういう滑りをしたい』っていうのがある。それを目指す中で一番を狙っていきたい感覚です」

具体的な滑りのイメージについて、高木は「きれいな滑りをしたいわけではなく、言ってしまえば勝ちにいく滑りをあの場でしたい」と表現。それを踏まえた上で「最後に自分の中でキーポイントになるのがメンタル。相手との駆け引きとかは全然関係なくて、自分のやりたいことって滑りより気持ちのところが大きいいかもしれない」と話した。

一方、東京五輪については「テレビを通して勇気や元気をもらえた。アスリートとしていろんなことを感じ、一国民としてスポーツっていいなって感じられた。もちろんそれだけではなく複雑に感じる部分はありましたが、最終的には『次は自分たちだな』って思うことができた」と、自身の活力になったようだ。

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