千賀 キャリアハイに並ぶ14奪三振も…ソフトバンク逆転負けで自力V再び消滅

千賀滉大(左)と甲斐拓也

逆転優勝への道がまた一段と険しくなった。4位ソフトバンクは14日のロッテ戦(ペイペイ)に1―3の逆転負け。エース・千賀滉大投手(28)が今季最多134球、自己最多に並ぶ14奪三振の力投を見せたが、勝利には届かなかった。首位ロッテとのゲーム差が7・5に広がり、自力優勝の可能性が再び消滅。得点は初回に牧原大の先頭打者弾で奪った1点のみで、エースの奮闘に応えられなかった。

1―1で迎えた8回二死満塁、フルカウント。バッテリーが126球目に選択したカットボールをレアードに弾き返された。打球は千賀の足元を抜け、二遊間へ飛んだ。二塁手・三森が懸命に飛びつき、一塁へ送球するも間に合わず、その間に2者が生還。終盤に痛恨の勝ち越し点を奪われ、勝敗は決した。

ベンチに戻り、ぼう然とするエース。「絶対に勝つ」と自らを鼓舞して上がったマウンドで、チームを勝利に導けなかった悔しさがにじんだ。序盤から伝家の宝刀・フォークが冴え、三振の山を築いた。2回連続となった中5日登板で、今季最長8回を投げきって3失点。それでも勝てなかった。「先制してもらったにもかかわらず、追いつかれてしまった。長いイニング、球数を投げることができましたが、逆転を許してしまい、大事なところで粘ることができませんでした」。内容よりも結果を求めたマウンドで、任務を遂行できなかった。

エースで落とせない試合で、結果的に打線の奮起が足りなかった。初回に1点を先制し、なおも二死満塁の好機を作ったが、2点目が奪えなかったことも響いた。2回以降はわずか2安打。援護を待ち続けたエースに報いることができず、窮屈な投球を強いらせてしまった。

今季、何度もあった投打がかみ合わないゲーム。首位ロッテと対照的な戦いが、4位に甘んじる鷹の苦しさを象徴していた。逆転優勝の可能性が完全に消えたわけではない。残り31試合、王者の意地が試される。

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