有機食品普及に課題 食べる「月1回以下」8割 割高感も「健康イメージ」 環境面の理解不可欠 本紙ネット調査

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有機食品を食べるペースは「月に1回以下」とする消費者が8割に上ることが、日本農業新聞のインターネット調査で分かった。価格が割高に映ることで消費をためらう傾向がうかがえた。一方で、健康のための消費意向や、国産を求める声は多い。有機食品市場の拡大に向けて、環境に優しい農業への消費者の理解獲得が欠かせない。(高梨森香)

農業生産での環境負荷の軽減を目指す政府の「みどりの食料システム戦略」を踏まえ、注目が集まる有機食品。本紙はその消費意向について、8月下旬に20代~60代の男女計553人を対象にインターネットで調査した。

有機食品を食べる頻度は「ほとんど食べない」が65%でトップ。「月に1回程度」(14%)と合わせると8割に上り、有機食品を食べる習慣がない人が多い。有機食品を週に1回以上食べると回答したのは全体の2割にとどまった。

有機農産物のイメージは「価格が高い」(48%)がトップで、消費者の価格志向がうかがえる。「健康に良い」(44%)が2位と期待も高い。一方で「環境に配慮されている」は11%にとどまり、環境保全型農業への理解が浸透しているとはいえない結果となった。

有機食品の購入機会が増える条件は「慣行並みの手頃な価格」が60%でトップとなった。慣行農産物との価格差がどれくらいなら買いたいかは「慣行と同じ価格」が42%でトップ。「1、2割高」が41%で迫り、一定の価格差であれば有機食品を購入したい人が4割に上ることが分かった。

有機の商品を選ぶ基準は「国産である」が56%でトップ。次いで、「信頼できる原産国・産地である」(31%)、「信頼できる生産者、生産団体が出荷している」(25%)となった。生産地に対する意識をさらに詳しく聞くと、「欲しい食材に外国産の有機しかなければ、国産の慣行を選ぶ」が42%でトップ。「全ての品目が国産の有機でそろうようになってほしい」が37%と続き、国産への期待の高さがうかがえた。

有機農産物は生産の手間や流通コストがかかるため、慣行農産物に比べて販売価格が割高となる。2050年までに有機農地を全耕地面積の25%(100万ヘクタール)に拡大することなどを盛り込んだみどり戦略の実現には、環境配慮の取り組みが付加価値として消費者に受け入れられることが不可欠だ。