かてぃが語る“一人だけど独りじゃない”ソロ活動 「ずっとつながっているんだな」

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かてぃ クランクイン! 写真:松林満美

ミスiD2017で大森靖子賞を受賞し、今年の2月までアイドルユニットZOCで活動していたかてぃ。卒業後はマルチに活動し、ファッションドキュメンタリーブック『ファッションカルト』(扶桑社)を発売しました。今回クランクイン!トレンドでは、そんなかてぃにインタビューを実施。本書で、“今伝えたいこと”をファッションに込めたというかてぃに、ファッションに目覚めたきっかけや、これからについてなどを聞きました。(取材・文=阿部桜子/写真=松林満美)

■その日の気持ちをファッションに

ーー2020年4月に発売された『新あいどる聖書』(扶桑社)では私服やメイク、好きなホラー映画まで大公開していましたが、今回の『ファッションカルト』はどんな本になりましたか?

自分の本が出るのは『新あいどる聖書』の1冊で終わりだと思っていたんですけど、今回服だけの本が出せることになって、めちゃくちゃ嬉しかったです。

小さい頃から服に対して結構プライドが高くて、友達が派手な服を着て、「おしゃれだ」と言われていることに嫉妬しちゃうくらいで、“どれだけ変な服を着れるか”に挑戦していた時期がありました。服でしか自分は目立てないと思っていたので、昔はひどかったんですけど、マシになった今の姿がこの本に詰め込まれています。

ーー過去にはどんなファッションを通ってきたんですか?

体を洗うときに使う泡立てネットを、お団子みたいに頭の上に2つ付けていました。その時ギャルの間で、ウィッグでお団子ヘアにするのが流行っていたのと、きゃりーぱみゅぱみゅさんっぽくしたくて、泡立てネットを付けたのを覚えています。あれは変でしたね(笑)。あと、中学校のジャージを着て、牛のお面をかぶりながら、渋谷とかに行ってました。結構狂っていたと思います。

ーーそもそもファッションに目覚めたのは、いつ頃だったのでしょうか。

最初は小学校2年生ごろだったかな。その後、小学5年生の時に、めちゃくちゃ流行っていた猫のしっぽの形をしたストラップや、もこもこのレッグウォーマーをつけて渋谷に遊びに行ったんですけど、自分が地元で着ていた服が、渋谷で目立たなかったんです。そこから、さらに目覚めて、もっと派手な服が欲しいとか、もっと変な服を取り入れたら面白いことができると思って、テンパりました。

変な服を着て原宿とかに遊びに行くことが、本当に楽しくて、その後アパレルで働いて、今まで全然知らない服の合わせ方を知りました。まだまだ自分の知らないものがあると思うと緊張してドキドキするんです。

でも、服を制覇したと思った次は、自分の周りのものも制覇しなければいけない気がして、変なことばかりしていた時期もありました。校庭に布団を敷いて寝てみたり、シーソーからどっちが痛そうに落ちれるか対決してみたり…(笑)。

ーーいろんな経験があって、今のファッションにたどり着いたんですね。本の中では、「メンタルが弱くなりそうなときの防衛本能としてギャルメイクをしてる」という内容も書かれていました。かてぃさんにとって、服は武装でもありますか?

それはめちゃくちゃありますね。この間も元メンバーから連絡が来たときは、なぜか前のグループのTシャツを着て、音楽を聞きました。いつでも力になるという思いを込めてコーディネートを考えていたと思います。その日の気持ちをファッションに反映させることもあります。

■キャミソール好きは親譲り

ーーこの本には、ご両親からインスパイアを受けたコーディネートも出てきました。家族をテーマにコーディネートを考えるのって、なかなか珍しいと思います。

え? 本当ですか? なんでだろう。うちの親が結構変わってるからかな。お父さんは、ずっと便所サンダルを履いているんですけど、それをちゃっかりお兄ちゃんも受け継いでいるんです。もしかしたら、うちの血がそうさせるのかもしれませんね。

自分がキャミソール好きなのは、完全に親譲りです。お母さんは今もキャミソールを着ていて、最近では服を特注で作っているんです。この間もボーダー柄の囚人服みたいなつなぎを作ってました。

ーーということは、かてぃさんのファッション好きって、お母さんからの影響が大きいですか?

う~ん、そうでもなくて、うちのお母さんはあまりファッションに興味はないんです。一番親の服で恥ずかしかったのが、授業参観の日に着て来たキリン柄のつなぎ。背高いから、キリンでしかなくて(笑)。

ーーそれは派手ですね(笑)。『新あいどる聖書』にもいろんな私服が出てきていましたが、約1年半の間で変化はありましたか?

あの頃は、どれだけ自分を強く見せるかにこだわっていました。あと、昔めっちゃ太ってたんですけど、痩せてコーディネートの範囲が広がって楽しかった時期でもあります。(『新あいどる聖書』を見返しながら)あれ? この服ないよ! これもない!

ーー今回の撮影で使った私服389点には、出てこなかった服もあるんですね。

なくなっちゃいました! なんか服なくなるんですよね。実家とかに置いてきちゃうのかな? (過去の自分の服を見て)これ欲しい!

■“一人だけど独りじゃない”ソロ活動

ーー過去の自分のファッションを愛せるって素敵です。

こうやって、過去の自分が好きだったものを見返すのも面白いですし、また当時のブームが再来するんじゃないかなとも思います。でも、面白いことに、『新あいどる聖書』と『ファッションカルト』で紹介した古着屋さんは、数店舗しか変わってないんですよ。初めてのお店とかに入るのが怖くて、マネージャーさんに、「先に入って様子見てきて」って頼むくらい。一人で何かをするということがダメで…。この間も一人で牛タン屋さんに入ろうとして、手汗かきながら「行こう!」と思ったのに、結局入れませんでした。

ーーそれでは3月から始まったソロ活動も不安だったのではないでしょうか?

グループを抜けたときは、「うわ、一人やん…さみしっ」って思ってたんですけど、先日クリープハイプさんのミュージックビデオに出たときに、一人だけど独りじゃないっていう感覚を覚えました。

ミュージックビデオが公開された日に、うちの数少ない芸能界の友達から連絡が来て、元メンバーも自分のことのように喜んでくれて、「めっちゃいいやつじゃん!」って思いました。もう同じグループじゃないけど、ずっとつながっているんだなって。なんか…ムカつくんですけど、めっちゃ嬉しかったですね(笑)。

ーー6月に重度のうつ病と診断されて心配していました。こんなこと聞くのもあれなんですけど、今、幸せですか?

幸せです! めっちゃ!

ーー安心しました。これからもっともっといろんなことにチャレンジしていくと思います。今後どんなことをやりたいですか?

この間まで、実家帰って、海の家とかやって…なんて考えていたんですけど、でもやっぱり音楽はやりたいです。それに服がすごい好きなので、音楽と服をかけあわせた何かができたらと思っています。絶対に実現したいです!