技術継承願い 山車製作し一般公開 花巻・石鳥谷まつり中止で

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秋友会が製作した山車の前で記念撮影をする関係者

 花巻市石鳥谷町の上和町地区住民でつくる秋友会(菅原純也会長)は、地区内で山車を製作した。山車を運行する予定だった石鳥谷まつりが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年連続で中止となったことを受け、製作技術の継承などを目的に実施。11、12の両日には一般公開され、地区住民や関係者らが完成を喜びつつ、まつりの雰囲気を味わった。

 同まつりは、9月8~10日の期間に行われている。山車・神輿(みこし)連合パレードおよび自由運行、保育園児・小中学生による演舞、郷土芸能や女性手踊りなどが繰り広げられ、子供からお年寄りまでが参加している。同地区でも上和町組として、毎年山車を運行している。

 同会によると、今春に同まつりの中止が決定した時から、製作を企画していたという。20~30代の会員約20人が中心となって、地区内の作業場で8月から製作を開始した。

 通常は7~9月の3カ月の製作期間を要するが、今回は土日に集まり、60~70代の地区住民に手ほどきを受けながら急ピッチで組み立ててきた。

 完成した山車は高さ約5メートルで、風流名(表側)は「加藤清正 虎退治」。県内で新型コロナが蔓延(まんえん)する中、疫病終息への願いを込めた。9日に完成し、お披露目会には関係者や地元住民らが写真に収める姿が見られた。見学に訪れた盛岡市の40代女性は「立派で驚いた。祭りの時もこんなに近くで見ることはあまりないので、新鮮だった」と感動した様子だった。

 今年から上和町組のはんてんも新調。会員に指導した川村昭造さん(69)は「作り手も高齢化し、代替わりをしないといけないと思っていた。山車作りは単純に見えても奥深いところがある。時間がない中で、立派に完成することができて安心した」と語った。

 山車は13日に解体された。菅原会長(45)は「無事に作ることができて良かった。2年も間が空くと、技術が継承されなくなってしまう。山車作りは地域住民の交流の場としての役割もあるので、来年こそは石鳥谷まつりが開催されてほしい」と願っていた。