東京五輪 陸上女子長距離 廣中 璃梨佳 今後の抱負「世界と対等に」

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8月下旬、母校で生徒たちに応援への感謝を伝える廣中=長崎市、長崎商高視聴覚室

 東京五輪の陸上女子長距離2種目に出場した廣中璃梨佳(日本郵政グループ、長崎県大村市出身)。5000メートルは16年ぶりの日本新記録となる14分52秒84で9位に入り、1万メートルも31分0秒71で日本勢25年ぶりの入賞となる7位で走り切った。5000メートル予選を含めた全3レースで自己ベスト更新した20歳に、大舞台で得た収穫や今後への抱負を語ってもらった。

 -初めての五輪。どんな大会になったか。
 緊張したけれど、3レースとも笑顔でスタートラインに立てて良かった。昨年12月の日本選手権・長距離以降に生まれた積極性を出せて、今後につながる大会になった。

 -最初の5000メートル予選を突破できたのは大きかった。
 予選を通過したからこそ、5000メートル決勝は「自分が日本記録を塗り替えたい」という気持ちで臨めた。予選で14分55秒が出たなら、決勝であと3秒縮めれば…と思えて、何としても出すつもりでいた。それが実現できて、また1万メートルにつながった。レースごとに次への学びがあった。
 
 -1万メートルは自身の3レース目にして五輪入賞を果たした。
 5000メートルで入賞にあと一歩届かなかった悔しさは、1万メートルで晴らせたと思う。5000メートルまでは割とすぐに来たけれど、残り半分は自分との戦いで結構きつかった。3000メートルで先頭集団から少しずつ離れて以降も、立て直して「落ちてきた選手を一人ずつ抜かしていくんだ」と最後まで諦めずに走り抜いたのが入賞につながった。
 
 -帽子を脱いでスイッチを入れたのが印象的だった。
 競技場は風が通らなかった分、蒸し暑さを感じた。帽子をかぶっていると熱がこもっていたから。「ここから切り替えだ」という意味も込めて脱いだけれど、それが定番になるかどうかは…。
 
-無観客だったけれど、応援は届いたか。
 桜が原中や長崎商高のみんながビデオメッセージをくれたり、卒業生や恩師たちが国旗にメッセージを寄せ書きしてくれた。試合会場に持って行って元気をいただいていた。両親の支えも大きかった。「JAPAN」のユニホームも着ているし、長崎や日本中の皆さんと一緒に戦っているんだな、という気持ちになれて力が湧いてきた。

 -五輪の経験を次にどう生かしていくか。
 次は全日本実業団対抗女子駅伝(11月予定)3連覇が大きな目標。「郵政創業150年」の節目の年でもある。チーム一丸となって全員駅伝で戦って、みんなで優勝を勝ち取るうれしさを今回も味わいたい。

 -個人としては。
 オリンピックの舞台で入賞できて、日本新記録を出せた経験は自信になった。今後、一段一段階段を上がりながらスピードの差を縮めていく。もっと世界トップクラスの選手と対等に戦って、最後に勝負というところまでいけるように頑張っていきたい。

 -全国都道府県対抗女子駅伝(来年1月予定)については。
 いつも長崎県のえんじ色のユニホームを着るのを楽しみにしている。秋に予定されていた三重国体がコロナ禍で中止になって残念だったので、都道府県対抗駅伝は開催されることを願っている。

 -「ロードに強い」イメージから「トラックも強い」に。
 社会人になって過去2年間は、夏場に思うように走れない時期があった。五輪が1年延期になったのをプラスに変えて、夏場に苦しんだのを社会人3年目で打破してみせると思っていた。今回「ロードだけじゃないんだよ」っていうところを見せられたかな。

 -長崎の皆さんへメッセージを。
 日ごろから、応援していただいたり、温かく見守ってくださったり、本当にありがとうございます。東京オリンピックでは、長崎の皆さんにすごく力をもらいました。こういう状況で無観客になったけれど、私の走りで少しでも元気や勇気を届けられたならうれしいです。これからも、世界に通用する選手を目指して頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。