長崎県佐世保市鹿子前町の九十九島水族館(海きらら)は14日、飼育していたハンドウイルカの雄、アイル(2歳)が死んだと発表した。同館初の人工授精で誕生したイルカで、27日には3歳の誕生日を迎える予定だった。これで国内の人工授精で誕生した存命のイルカは2頭になった。
アイルは、人工授精で妊娠したハンドウイルカのニーハが2018年9月27日に出産。人工授精での出産成功例としては国内4例目だった。愛嬌(あいきょう)のあるパフォーマンスを見せ、市民らに愛されていた。
同館によると、アイルは8月末から体調を崩し、イルカ課の職員や獣医師が投薬をするなど治療に当たっていた。
しかし、13日朝から全く餌を食べないようになり、夕方からメインプールの水を抜いて本格的な検査を始めた。採血をしたり水分補給をしたりするなどの処置を行っていたが、容体が急変。午後9時半ごろ、死亡を確認した。15日に解剖し死因を調べる。
川久保晶博館長は「残念の一言に尽きる。アイル君の死を無駄にしないように、彼が残してくれたデータを今後に生かしていきたい」としのんだ。
同館は新型コロナウイルス感染拡大防止のため休館中だが、18日~来月17日の午前9時半から午後4時まで同館入り口付近に献花台を設置する。営業を再開した場合は、開館時間中、館内に設置する。
イルカの「アイル」死ぬ 佐世保・海きらら初の人工授精で誕生
- Published
- 2021/09/15 10:30 (JST)
- Updated
- 2021/09/16 11:37 (JST)
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