被爆樹木「カラスザンショウ」移設 2016年に枯死 城山小旧校舎で展示

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旧城山国民学校校舎内に移設されたカラスザンショウ=長崎市城山町

 長崎原爆の爆心地から500メートル地点にある長崎市立城山小(城山町)の被爆樹木で、5年前に枯死した「カラスザンショウ」の移設作業が先月末に完了した。市が同校敷地内の被爆遺構「旧城山国民学校校舎」の2階で展示している。
 このカラスザンショウは原爆の熱線で焼かれ、傾いたが、そばのムクノキにもたれかかるようにして生き延びた。市の被爆遺構の取り扱い基準では、最重要のAランク指定。被爆後も70年以上生きたが、次第に樹勢が弱り、2016年に枯死と判断された。
 切断、保存処理して幹の部分だけを現地に残していたが、劣化を防げないため今年7月に殺菌処理。高さ約6メートル、幅最大約80センチで、ほぼそのままの形で移設。支えていたムクノキの写真を背景にして“生前”の様子を再現している。
 同校舎を管理する「城山小被爆校舎平和発信協議会」のメンバー、鞍田屋泰子さん(75)は「屋内で見ると、あらためて大きさに圧倒される。修学旅行生などに見てもらい、傷を負いながら必死に水を吸って生きた生命力を感じてほしい」と話した。