WADAが大麻を禁止薬物リストから外すかどうかの検討へ

大麻(写真はイメージ、東スポWeb)

世界反ドーピング機関(WADA)が、大麻を禁止薬物に指定し続けるかどうかの検討に着手する。トルコのイスタンブールで理事会を行った後、14日に2022年は引き続き大麻を禁止薬物とする上で、同年に科学的な検証を行う方針を発表した。

最近では陸上女子短距離の有力選手であるシャカリ・リチャードソン(米国)が6月の東京五輪米国代表選考会で出場権を獲得したが、大麻の陽性反応で1か月の資格停止処分を受けて本番に出場できなかった。ただ専門家の間では大麻に競技能力を向上させる効果はないとの見解が定着しつつあり、WADAの禁止薬物リストに入れるべきかどうかの議論が再び起こっていた。

しかし日本をはじめ大麻が禁止されている国は少なくない。リストから外すことになれば、世界的に反対意見が多数出るとみられる。実際、世界陸連のセバスチャン・コー会長(64)がリチャードソンの東京五輪不参加を踏まえて〝大麻解禁〟発言を行って世界的に波紋が広がったばかり。いずれにしても慎重な検証と議論が求められそうだ。

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