【MLB】悩める大谷翔平へ 米殿堂入り名将も金言授ける「何が起ころうとベストを尽くせ」

エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

悩める大谷翔平へ 米殿堂入り名将も金言授ける「何が起ころうとベストを尽くせ」

エンゼルスの大谷翔平投手は14日(日本時間15日)、敵地・ホワイトソックス戦で「2番・指名打者」で先発出場したが、4打数無安打に終わった。3試合連続ノーアーチで、本塁打トップのブルージェイズ・ゲレーロJr.とは1本差のまま。今ひとつ状態の上がってこない日本人スラッガーに両軍監督から“金言”が授けられた。

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キング争いの焦りなのか。大谷がらしくない打撃を繰り返した。5打席に立ち、4打数無安打1四球3三振。自軍ベンチでの表情も、どこか曇ったままだった。悩める27歳へ。まずは監督通算1348勝のマドン監督が復調のポイントを力説した。

「引っ張りすぎていて、ストライクゾーン外の球にも手を出してしまっている。ストライクゾーンを再整理することは大事なことだ。もう1つはもっとセンター方向を意識すること。そうすれば引っ張りすぎることはない。時には詰まってしまうこともあるかもしれないが、それは悪いことではない」

今季からメジャーでは“飛ばないボール”が導入。大谷は「引っ張った打球の方が飛ぶ」と本塁打数を伸ばしてきたが、ここに来て、その“弊害”が出てきているようだ。昨季までは中堅から左翼方向の本塁打が目立ったが、この後半戦の11本塁打は右翼7本、右中間1本、中堅3本で左翼0本。相手バッテリーから“四球覚悟”の厳しい攻めが続いているものの、今こそ本来の打撃スタイルを意識すべきと説いた。

「本塁打王になろうがならまいが、オオタニは素晴らしい選手なのだから」

ホワイトソックス・ラルーサ監督はメンタル面の助言をした。歴代2位の監督通算2810勝。2014年に米国野球殿堂入りを果たした名将は、昨季エンゼルスのシニアアドバイザーだった。そんな敵将は「オオタニのような選手は今までいなかった。傑出した投手であり、傑出した野手でもある。なんでもやってしまうんだから。足も速いし、パワーもある。あんな人気者の選手は今までいなかったよ」と絶賛。そして、敵軍の主砲ながらも、MVPと本塁打王争いを繰り広げる大谷へメッセージを送った。

「何が起ころうと、オオタニがすべきなのはベストを尽くすことだけだ。本塁打王になろうがならまいが、素晴らしい選手なのだから。(MVPも)私は他の選手と比べることはしたくないが、オオタニがどれだけ特別かは知っているよ」。エンゼルスは残り18試合。タイトル争いはシーズン最終戦まで続きそうだが、ラルーサ監督は“自信”を持つべきと説いた。

リーグの本塁打王争いでは両リーグ最多45本のブルージェイズ・ゲレーロJr.が4打数無安打に終わり、44本の大谷とは1本差のまま。3位のロイヤルズ・ペレスは43号を放って1本差になった。ラルーサ監督は「オオタニはこれ以上ない監督を持っている。ジョー・マドンは非常に賢くオオタニのような選手を扱っている。オオタニは才能に溢れた選手だが、ジョーがしていることは全て正しい」とマドン監督への信頼の言葉も口にした。稀代の名将たちからの金言。残り試合へ生かしていきたいところだ。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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