抗体カクテル療法「自宅解禁を検討」厚労相、時期明言せず

 新型コロナウイルスの重症化を防ぐ「抗体カクテル療法」について、田村憲久厚労相は15日の衆院厚生労働委員会の閉会中審査で「患者自宅での実施解禁を早急に検討していく」との方針を示した。立憲民主党の早稲田夕季氏(衆院神奈川4区)に答弁した。

 軽症や中等症の患者のうち基礎疾患持ちなど重症化リスクが高い人を対象とした治療法。2種類の抗体医薬品を混ぜ点滴することで体内のウイルスの増殖を抑えるという。

 早稲田氏は「自宅療養者が急増している中で解禁が不可欠だ」と要請した。政府の対策分科会の尾身茂会長は、1時間の経過観察が必要とされるなどの事情を踏まえ「急増現状では医療従事者の負担が大きい」と前置き。その上で「便利な療法であり、実施に向けた環境を整えていくことが急がれる」と応じた。

 厚労相は「経過観察はじめしばりが多い療法だ」などとして解禁時期は明言しなかった。早稲田氏は「自宅療養へのサポートを整えた自治体から始めるという方法もある」と提案した。

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