日本ハム・伊藤大海の「逆転新人王」に追いロジンならぬ〝追い風〟

新人王獲得が期待される日本ハム・伊藤大海

日本ハムのドラフト1位ルーキー・伊藤大海投手(24)の「逆転新人王」の可能性に注目が集まっている。

伊藤は15日の西武戦(メットライフ)で先発マウンドに上がったが、初回から毎回得点圏に走者を許す苦しい投球。それでも要所を締める粘投で5回を7安打2失点。勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りたものの、救援陣が終盤に同点に追いつかれ今季10勝目はお預けとなった。

「点を取ってもらった後に失点してしまい、野手とブルペンに負担をかける投球になってしまった」とは伊藤。登板前日には「(10勝は)達成したい数字」と目標を掲げていただけに試合後は唇を噛みしめた。

それでも下を向く必要はない。伊藤にはまだ2桁勝利に加え、パ・リーグの新人王の望みは十分あるからだ。

現在新人王の「本命」はすでに11勝を挙げているオリックスの左腕・宮城大弥(20)。今季は開幕5連勝などで白星を着実に積み上げ、防御率もリーグ2位の2・26を誇る。プロ2年目左腕はチームの優勝争いにも貢献している。現時点でタイトル争いの最有力候補であることは間違いない。

ただ「9勝+防御率2・59」で追い上げる伊藤にもチャンスは残る。

所属する日本ハムは現時点で最下位に低迷もパ・リーグ最多の36試合を残す。単純計算でも伊藤は今後5試合程度の登板が可能だ。しかも伊藤は宮城とは対照的に開幕後4試合で勝ち星に恵まれなかった一方、全試合でクオリティー・スタート(6イニング以上を投げ3自責点以内)をマークした。この投球内容は選考の評価対象となる。白星、防御率で宮城を上回れば選考資格を持つ記者投票で決まる新人王の逆転でのタイトル奪取も不可能ではない。

「全然納得できる内容ではなかった。状態もそんなに悪くないなと感じてたんで。ちょっともったいないなというのはあります。でも、勝ってる時は投球自体のバランスはいい。(直球でも変化球でも)どっちでも決められるのが自分のいいところなので。そこをもう一回見つめ直して次の登板に向けて準備したい」と最後は前向きな気持ちを取り戻した新人右腕。次回登板でのリベンジに期待がかかる。

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