かすむ首位… ソフトバンクに「DHのローテーション起用復活を」の声

首位ロッテとのゲーム差が8・5に広がったソフトバンク・工藤監督

4位ソフトバンクは15日のロッテ戦(ペイペイ)に4―5の逆転負けを喫して4連敗。首位ロッテとのゲーム差が今季最大の8・5に広がり、CS進出圏内の3位・楽天とのゲーム差は3・5に拡大した。

この日の敗戦で借金は今季最大の3。投打がかみ合わずBクラスに定着する異常事態が続き、逆転優勝への道が日々厳しくなっている。ただ、ソフトバンクには「5年連続日本一」の大目標があり、たとえリーグ連覇を逃しても重要な戦いが今後も続く。

去年までの日本一V4はポストシーズンで無類の強さを誇ってきた証しだが、その要因について球界内では「他球団にはない〝末脚〟が残っているから」と指摘されてきた。その末脚を残す戦略として注目されたのが「DHのローテーション起用」。戦力が充実しているとはいえ、毎年ホークスは160試合近いゲーム数をこなし、その勤続疲労は想像以上。いかに選手の疲弊を減らし、リフレッシュさせて能力を最大限に引き出すか。「DH枠」をうまく運用し、主力野手の守備負担を減らしてきた。

例えば昨季、試合数が今季とほぼ同じ残り32試合となってからDH起用した主力の内訳はこうだった。グラシアル8度、中村晃7度、柳田5度、長谷川4度、バレンティン6度。シーズン終盤の12連勝、ポストシーズン全勝フィニッシュは、フレッシュな兵が躍動した結果だった。

その大きな成功体験があるゆえに、今「DH枠のローテーション復活がソフトバンク再浮上の鍵」との声がチーム内から挙がっている。今季は後半戦に入ってデスパイネをDHに固定しており、その他の起用は柳田の一度のみだ。ライバルにはない「末脚」を生み出してきたDHの運用。日本一をつかむための策を繰り出す時かもしれない。

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