女子陸上選手の下半身を執拗に撮影 容疑で会社員を書類送検、画像5千点確認

京都府警本部

 高校生の陸上競技大会でユニホーム姿の女子選手の下半身を執拗(しつよう)に撮影したとして、京都府警人身安全対策課と右京署は16日、府迷惑行為防止条例違反(卑わいな言動)の疑いで、京都市右京区の男性会社員(47)を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。男性は女子選手の盗撮を繰り返しており、スマートフォンなどから高校生や大学生らの画像約5千点が見つかった。

 アスリートへの性的な意図を持った隠し撮りや画像を拡散する行為は社会問題となっている。著名な選手だけでなく、高校生らも被害に遭っている実態が浮き彫りとなった。

 府警は、男性が着衣の上からでも執拗に下半身を撮影した行為が、昨年1月に施行された改正府迷惑行為防止条例で新たに規制対象となった「卑わいな言動」に当たると判断した。

 捜査関係者の説明では、男性の書類送検容疑は8月22日、京都市右京区のたけびしスタジアム京都で開催された高校生の陸上大会で、ユニホーム姿の女子選手(17)の下半身を強調した写真約30点をコンパクトカメラで撮影した疑い。

 捜査関係者によると、男性は「初めは陸上への興味から通っていたが、ユニホームは体の線が出るので性的にそそられた」と容疑を認めている。4年ほど前から近畿、北陸地方の高校や大学の陸上大会を訪れて性的画像の撮影を繰り返していたという。

 府警はアスリートの性的画像問題を受け、8月に京都府高体連と会議を開き、連携して警戒活動を行うことを決めた。事件当時、競技場の外から場内をうかがっている男性を捜査員が職務質問したところ、女子選手を狙って撮影していたことが分かった。

 アスリートを狙った性的画像事件を巡っては、国内では、選手の画像をアダルトサイトに掲載したとして、名誉毀損(きそん)容疑や著作権法違反容疑で摘発された例がある。

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