【藤井勘一郎コラム】ジョッキーの安全を守る保護ベストのお話 今週は中京で騎乗します

ルーキーの松本大輝騎手(右)とのツーショット

以前こちらでご紹介した角居調教助手も帯同してフランス遠征中のディープボンドが、先週日曜日の前哨戦・フォワ賞に勝利。大目標である凱旋門賞に向けて弾みをつけましたね。今回、手綱をとったクリスチャン・デムーロジョッキーの話を、お兄さんのミルコさん経由でうかがうことができました。

レースでは見事に逃げ切り勝ちを決めたディープボンド。日本でのレースぶりをチェックし、追い切りにまたがった上で逃げを選択したクリスチャンジョッキーの作戦勝ちですね。戦前はワンペースな馬という印象だったようですが、実戦では追ってからもしっかり伸びていて、想像以上の能力の高さに驚き、少し興奮していたようです。本番の凱旋門賞でも馬を信じて思い切った騎乗をしたいとのこと。日本馬初の快挙が期待されます。

今日の写真はルーキーの松本大輝ジョッキーとご一緒しています。2週前のコラムでは私たちジョッキーが着用するヘルメットについてお話させてもらいましたが、もうひとつジョッキーの安全を守るものとして保護ベストが挙げられます。JRAではほとんどのジョッキーおよび調教助手がデサント社製を使用していますが、松本ジョッキーが着用しているのがそれです。非常に軽量ですが耐衝撃性に優れ、かつ動きやすさも重視したつくりになっていて、先週日曜中京10Rに松本ジョッキーは落馬をしているのですが、特に体に影響もなく今週も元気に攻め馬にまたがっています。

私が着けているのは英国製で、こちらもJRA公認です。デサント社製に比べ非常にハードな作りで耐衝撃性の高さはありますが、日本のものに比べると重量があるのが難点ですね。最近では、衝撃を受けた瞬間に膨らむ、エアバッグのような保護ベストがあってもいいのでは、という意見も落馬の危険性が高い障害ジョッキーの方から出たりしています。私も先日、トレーニングのライディングで落車したこともあり落馬の怖さを再確認しています。特に今後の課題は首の保護についてですね。現在のヘルメット、保護ベストでは首の防御が不十分なので、そのあたりで改善の余地がありますね。

今週は日曜中京8Rでレイクリエイターに騎乗させていただきます。前走は2番人気に推してもらいながら10着で悔しい思いをしました。今回はぜひともリベンジしたいですね。月曜中京メインのJRAアニバーサリーSではコパノリッチマンも一回使って状態は上がっていますので、いい競馬ができるように頑張ります。応援よろしくお願いいたします。

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