元クラクソンズのメンバー、デジタル版ABBAのバックバンドに選出された心境を語る

Industrial Light & Magic

2022年5月27日、ロンドンのクイーン・エリザベス・オリンピック・パークに設置される3,000人収容の最新鋭アリーナ〈ABBAアリーナ〉で開幕されるコンサート〈ABBA Voyage〉は、10人編成の生バンドとデジタルになったABBAの4人が共演するコンサートだ。

この10人編成の生バンドの一員として元クラクソンズ(Klaxons)のジェイムズ・ライトン(James Righton)が選ばれている。彼は他のバンドメンバーの編成についても担当し、そのプロセスにどのように取り組んでいるかをNMEに語っている。

<動画:ABBA約40年ぶりの新曲>

ジェイムズ・ライトンは、〈ABBA Voyage〉のプロデューサーであるスヴァーナ・ジスラとABBAのベニー・アンダーソンを紹介され、バンドメンバーの選定も依頼されたと語る。

「これまでに一緒に演奏したことのあるミュージシャンや、知り合いのミュージシャンなど、自分の頭の中の記憶を調べてみました。私は長い間、音楽を制作し、関わってきたので、演奏できるミュージシャンをたくさん知っています。しかし、ABBAのバンドに参加してくれる人たちには、とても暫定的かつ内密に声をかけなければなりませんでした」

また彼は、ライブバンドに必要な資質をこう説明している。

「素晴らしいミュージシャンやプロであるだけでなく、フィーリングやキャラクター、グルーヴも必要で、個性的でスタイルのある人たちを見つけることがとても重要です。70年代のABBAの映像を振り返ってみると、彼らは常に素晴らしく、素晴らしいプレーヤーを抱えていました。例えば、今のLCDサウンドシステムを見に行ってもそうなように」

ジェイムズ・ライトンともに〈ABBA Voyage〉のバンドとして出演する37歳のイギリス人エレクトロ・ポップ・シンガー、リトル・ブーツ(Little Boots)ことヴィクトリア・ヘスケス(Victoria Hesketh)の参加も決定しており、彼女についてジェイムズはこう語る。

「彼女がABBAの音楽の大ファンであることは知っていましたが、彼女は演奏もできる。彼女は素晴らしいピアノ奏者であり、ヴォーカリストでもある。オーディションでの彼女の活躍は素晴らしく、その水準は本当に高かった。ベニーとビョルンは、ミュージシャンのレベルの高さにとても感心していましたよ」

ジェイムズ・ライトンは、今回のプロジェクトについて次のように述べている。

「挑戦ではありましたが、楽しいものでした。私は彼らのファンとしても気になっていて、もし自分が参加するのであれば、きちんとしたものにしたいと思っていました。このバンドは、オリジナルのラインナップに負けないくらいステップアップしなければなりません」

「このバンドが初めて演奏するのを聞きたときは信じられませんでした。ベニーがシンセやピアノに飛びつき、一緒に演奏しているのを見て、とても感動しました。"Eagle"の演奏は30分も続きましたが、とても楽しくてやめられませんでしたよ」

彼はABBAが新曲「I Still Have Faith In You」と「Don't Shut Me Down」を携えた40年ぶりのアルバムを発売することについてもこう語っている。

「彼らが新曲を携えて戻ってきたことはとても素晴らしいことです。ノスタルジーに浸ろうとしているわけではないのですから」

このデジタル版ABBAは、バンド・メンバーの4人が、ジョージ・ルーカスが設立したインダストリアル・ライト&マジック社の850人のチームと共にモーションキャプチャやパフォーマンステクニックを駆使し、何週間、何ヶ月もかけて作り上げてきたものだ。チケットは9月7日からは一般販売が開始されている。

Written By Paul Sexton

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ABBA『Voyage』

ABBA『Voyage』
2021年11月5日発売

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