息子をプロ野球選手にするため開設したYouTube レッド吉田さんが2年限定にする理由

お笑いコンビTIMのレッド吉田さん【写真:高木希】

レッド吉田さんの育成奮闘記、連載第3回

高校時代に甲子園に出場したお笑いコンビ「TIM」のレッド吉田さんは5人の子どもを持つ父親。現在、小学5年生の三男・運(めぐる)くんをプロ野球選手にすることを目標に、親子二人三脚で奮闘している。毎回、テーマを決めて、子育てや野球を指導する難しさなどを語ってもらう連載「レッド吉田の“巡る”野球界」。3回目のテーマは、吉田さんが現在取り組んでいるYouTubeについてで、動画を配信するのは2年間限定と決めているという。その理由とは。

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昨年11月にYouTubeを始めました。チャンネル名は「レッド吉田の野球子育て奮闘記~めぐる巨人への道~」。その名の通り、息子の運をプロ野球選手にするための企画です。プロ野球選手や指導者、専門家らとの対談を通じて親子で成長していきたいと考えています。僕たちのように二人三脚で野球をしている親子にも役立つ情報を伝えられたらと思っています。

ゴールはプロ野球選手になることですが、YouTubeは運が小学校を卒業するまでの2年間と決めています。その理由は「本気でプロ野球選手になる」と息子に分かってもらうためです。僕の本気度を知って、息子のスイッチが入ってくれればいいなと思っています。

自分の中で「プロになるんだ」と思うことさえできれば、やることは1つ、練習です。そこがぶれたら、なぜ練習を続けるのかと迷ってしまいます。そのためにYouTubeで周りを固めるのはいいかなと。「めぐる巨人への道」のタイトルを見れば、友達も友達の親も「プロに行こうとしているんだ」と認識しますから。

2年間に限定するのは、もう1つ理由があります。中学に入ると、思春期や反抗期など色々なことがあります。そんな中でYouTube用に動画を撮影するのはマイナスになると考えました。

YouTubeを通じて「家族全員が同じ方向を向いています」

もちろん、YouTubeを止めても息子の練習には付き合いますし、全面的に協力することに代わりはありません。サポートの形が変わるだけです。息子が高校ですごい選手になった時に「貴重な小学生時代の映像です」と皆さんにお見せできたら嬉しいですね。

ただ、YouTubeのチャンネル自体は消滅させずに、たまに練習風景だけ流したり、こういう風に頑張っていますよというのは流したりするかもしれません。今みたいに、がっつり作り込むというのはやらないですけどね。

YouTubeは家族も巻き込んでいて、長女と次女も協力してくれています。妻にも「今回は本気だから手伝ってほしい」とお願いしたら、「もちろんOK」と言ってくれました。僕がキレそうになると「本気なんでしょ。ここは我慢なんじゃないの」となだめてくれます。運は5人兄姉の末っ子で、吉田家の夢なんです。この子を人間的に成長させて、最終的にプロ野球選手にするのが夢なんです。YouTubeを通じて家族全員が同じ方向を向いています。

5人の子どもを持つ父親として1つ言えるのは、子どもたちは中学の後半から親の手を離れていくということです。子どもを近くで見ていられるのは、それまでの限られた期間。YouTubeは義務感ではなくて、楽しみながらやっています。最後の子育てなので、やりたいからやっているだけなんです。息子が小学校を卒業するまで残り1年半、皆さんにも楽しんでもらえる動画を作っていけたらと思っています。

○プロフィール
レッド吉田 1965年10月30日生まれ、京都府出身。名門・東山高(京都)で1983年夏の甲子園に出場する。ゴルゴ松本とともにお笑いコンビ・TIMを結成し、バラエティ番組で人気に。野球が大好きで、5児の父としても奮闘中。三男・運(めぐる)くんをプロ野球選手にするために立ち上げたYouTubeチャンネル「レッド吉田の野球子育て奮闘記~めぐる巨人への道~」を開設中。(記事提供:First-Pitch編集部)

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