台風14号 17日に長崎県最接近 警戒呼び掛け

対馬中部の浅茅湾奥部、樽ケ浜港では、台風に備えて多数の漁船がロープで係留された=対馬市美津島町

 台風14号は勢力を維持したまま17日昼すぎから夕方にかけ、長崎県に最接近する見通しとなった。長崎地方気象台は16日、オンライン会見を開き、台風が本県に上陸する可能性があるとして大雨や暴風に警戒するよう呼び掛けた。
 気象台によると、17日明け方から夜にかけて非常に強い風が吹き、陸上・海上いずれも最大瞬間風速35メートルが予想される。また局地的に激しい雨も見込まれ、1時間降水量は多いところで70ミリ、17日午後6時までに予想される24時間降水量は多いところで250ミリに上る恐れがある。気象台は高波や土砂災害にも警戒を促している。
 県内では16日、各地で避難情報が出された。北松小値賀町は「避難指示」、佐世保市など6市は「高齢者等避難」を発令した。
 台風接近を前に休校判断が相次いだ。西彼長与、時津両町を除く19市町の教委は17日の休校を決定。全日制の県立高54校のうち51校が臨時休校となった。
 交通の乱れも生じている。JR大村線は17日午前8時ごろから、特急「かもめ」は午前7時台から昼すぎまで運転を見合わせる。九州商船やオリエンタルエアブリッジ(ORC)が17日の全便欠航を決めるなど海の便、空の便にも影響が出ている。
 対馬市厳原町の厳原港新国内ターミナル1階には、17日の船便の欠航を伝える張り紙が掲示された。避難港として利用されている同市美津島町の樽ケ浜港では市内各地から多数の漁船が係留され、台風に備えた。

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