長崎県公社が諫干営農2社を提訴 肩代わりの賦課金求め

 国営諫早湾干拓事業の干拓農地を管理する長崎県農業振興公社が干拓地で営農する2社に対し、同公社が2社の代わりに支払った賦課金など計約1250万円の支払いを求めて長崎地裁に提訴していたことが16日、分かった。
 関係者によると、2社は2018年に契約が切れ、土地の明け渡し期限を迎えたが、応じずに営農を継続。期限後は農地の維持に役立てる賦課金を同公社が支払っているという。公社側は「土地の不法占有によって公社に賦課金相当額の損害が生じた」と訴えているという。
 同公社は2社に対し、既に農地の明け渡しを求める訴訟を起こしている。
 一方、2社などは国などが対策を怠り野鳥による農作物食害を受けたとして、国などに損害賠償と潮受け堤防排水門の開門を求め提訴し、係争中。2社側の代理人は「干拓地で営農する以上、賦課金を支払う必要はある。だが、食害の対応がなされないまま一方的に明け渡しや支払いを求めてくるのは不当だ」と主張している。

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