催しや署名集めなど積極活動「プレーパークを山口に」 講演会「どの子もあそびでこんなに育つ!」を開催

 漫画・アニメ「ドラえもん」に登場するような、子どもたちが土管のある空き地で工夫しつつ自由に遊ぶ光景、昔はあちこちで見られたが、今ではすっかり縁遠くなった。今の子どもたちには、自由に外遊びできるような空間が身近になく、遊びを通じて「生きる力」を身につける機会は、以前と比べて激減している。

 そこで、冒険遊び場ともいわれる「プレーパーク」を整備しようという運動が、1970年代から草の根的に広がってきた。手づくりの遊具や自然の素材などが置かれ、それらの使い方・遊び方などを引き出す大人の「プレーリーダー」も常駐する施設で、今では国内約400カ所に設置されている。山口県内では、2013年に萩市、2020年に宇部市に開設された。

 山口市では、認定NPO法人こどもステーション山口が、プレーパークの「専門家」による講演会や講習会を2018年から開催。そして、同法人が中心となって2019年5月に「『プレーパークを山口に』実行委員会」(臼井裕貴子実行委員長)が立ち上げられた。同年11月からは、山口市内の公園や神社の境内などで「いちにちプレーパーク」と題したイベントを継続開催。新型コロナウイルスや天候の影響も受けつつ、今年7月までに11回を重ねてきた。さらに、プレーパークの常設を求めて署名活動を展開。今年5月、6959筆の署名を同市に提出し、有給のプレーリーダーが常駐できるような支援を求めた。

▲いちにちプレーパークの様子

10月30日に講演会

 同実行委員会は、東京都「石神井・冒険遊びの会」(石神井プレーパーク)の学習会に講師として参加している茂木厚子さんによる講演会「どの子もあそびでこんなに育つ!」を、10月30日(土)午後1時から4時15分まで開催する。会場(山口市民会館)での参加者は募集定員に達したため、現在はオンラインでの聴講者を募集している。対象は、子育て中の保護者、保育・教育・子どもの遊びに関心のある人など。

▲茂木厚子さん

 第1部は「理論編」。演題は「そうだったのか! 子どもの行動」で、子どもの脳における発達の仕組みや、困った行動の原因・理解について学ぶ。第2部は「実践編」。演題は「これでいいんだ!」で、遊びと発達の関連性や、子どもの「やりたい」気持ちとの向き合い方などを知ることができる。

 茂木さんは、米国・カリフォルニア州の早期療育施設で学び、帰国後は東京都練馬区を中心に活動。自閉症スペクトラム支援士と保育士の資格を持ち、発達支援相談室「Kids Sense(キッズセンス)」を主宰。「子どもの発達には親の支援が重要だ」という考えのもと、講演活動・保育者研修・発達相談・保護者向け講座などを、全国各地で行っている。

 聴講は、ビデオ会議サービス「Zoom」を通じて。定員は先着30人で、聴講費は1000円(学生500円)。希望者は、名前、住所、電話番号、メールアドレスを、「こどもステーション山口」(TEL・FAX:083-925-1486、MAIL:co26station@yahoo.co.jp)に伝えるか、ウェブサイト(https://kodomo-st.org/)に設置されたQRコードから申し込む。託児サービス(1人につき500円)の申込締め切りは、10月22日(金)。

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