社説:コロナと保育園 保護者の負担軽減策を

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 新型コロナウイルスの感染が広がり、休園する保育園や認定こども園が増えている。

 感染力の強いデルタ株の広がりが要因の一つとみられ、園児や保育士のクラスター(感染者集団)の発生も相次いでいる。

 園内での感染拡大をどう防ぐかが問われるとともに、子どもを預けられない保護者への支援も求められる。

 厚生労働省によると、9日時点の認可保育園などの休園は少なくとも京都など16都道府県の126カ所に上る。7月1日の16カ所から約8倍に増えた。

 保育園は、抱っこなどの世話や園児同士の遊びで「密」を避けにくい。マスク着用が難しい乳児もいる。こうした状況から1人が感染すると全体に広がりやすい。

 各施設は感染防止のため、換気や消毒を徹底したり、屋外での保育を多く取り入れたりするなど工夫を凝らしている。一方で保育士の業務は増えており、現場の努力にも限界があるという。

 園児がウイルスを自宅に持ち帰って広げるのを防ぐためにも、保育所の感染対策に積極的な支援が欠かせない。

 厚労省は、保育園を「原則開所」としている。感染者が出ても子どもを預けられるよう、対策の指針や事業継続(BCP)のひな型を年末までに作成する方針だ。

 だが、現状は厳しい。保健所の業務が逼迫(ひっぱく)して濃厚接触者のPCR検査が遅れ、休園が長引く事態も生じている。一部自治体は検査キットを保育園に配り、陽性者を早期発見できるようにしている。影響を最小限に抑えることが必要だ。

 家庭での保育が可能な世帯には協力を求め、休んだ日数に応じて保育料を還付している保育所もある。園側の大きな負担となるため、状況に応じて行政による財政的な支えも必要だろう。

 保護者の職場でも、勤務シフトの変更や休暇取得などによる柔軟な対応が不可欠だ。

 ただ、休園で仕事を休んだ際に有給休暇で対応し、休める余裕がない保護者もいる。非正規雇用者などには十分な制度がなく、失職や収入減を避けるため「どうしても休めない」と訴える人もいる。

 厚労省は9月から、休園で仕事を休む保護者への助成金について、企業だけでなく個人でも申請できるよう改めた。各企業に仕事を休みやすい仕組みづくりを促すととともに、休業補償などの拡充も検討すべきではないか。