防疫型観光の実現に向けて取り組む「オキナワブルーパワープロジェクト」の実行委員会が17日、浦添市内で開かれた。ワクチン接種やPCR検査を済ませた観光客にリストバンドを配布し、ホテルや飲食店などで特典を受けられる同プロジェクトについて、9月末までとしていた実施期間を、2022年3月末まで延長することを決めた。
事務局は、今年12月末までの延長を提案した。これに対し、実行委員の観光事業者から「旅行商品を造成する立場としては期間が短い」「GoToトラベルが年末ごろには再開される。12月末で終了するのはもったいない」などの意見が相次ぎ、年度末までの延長を決めた。
8月から始まったプロジェクトの実績について、那覇空港などで5802個のリストバンドを配布したと報告があった。安里繁信副委員長兼事務局長によると、今後、久米島でもプロジェクトを展開する方向で調整しているという。
同プロジェクトは、民間主導の取り組みとしては全国でも先駆的として、県外の自治体や民間団体から資料の請求や問い合わせがあるという。一方で、感染が急拡大している時期と重なったことから、実行委員会や後援の県に対して「来県自粛要請と矛盾する」などの批判も寄せられている。
県は実行委員会に対して、緊急事態宣言中は誘客と捉えられるような発信を控えることなどを求めている。事務局は、公式ホームページに「防疫型観光気運醸成プロジェクト」と表示し、誘客ではないことを明記した。
バンドの配布対象を、ワクチン接種を終えた観光従事者や県民にも拡大してほしいという要望が一部の自治体や観光業界から寄せられているが、県は「当初の趣旨と異なる」として否定的な見解を示している。