「古い自民党打破して」「身近に感じられない」 自民総裁選告示 長崎県民の反応は

 自民党総裁選が告示された。長崎県内では「古い自民党を打破して」と党改革への期待や、「身近に感じられない」と冷静に受け止めている声が聞かれた。新型コロナウイルス対策や経済の活性化にも注文が付いた。
 出馬表明をした4氏は58~64歳。佐世保市もみじが丘町の自営業、谷川愛香さん(31)は「自民党の主要な役職には年配者が多い。今回の候補者はそれと比較すれば若い層。自民党が変わる良い機会ではないか」とし「河野さんは異端児と呼ばれているので、派閥の年配者たちを気にせず(遠慮せず)、思い付いたことを実行してくれそう」と期待を寄せる。
 南島原市南有馬町の自営業、宮崎友明さん(54)は「高市さんを除けば、忖度(そんたく)政治のような古い自民党を打破してくれそうな顔触れ。周囲には安倍元首相の政策を継承する高市さんを支持する声が多いが、河野さんを推したい。口数が少なかった菅首相と比べて、はっきり物を言う人。ワクチン担当相としてもコロナ対策に尽力している」と話した。
 総裁選は国会議員票と同数の党員・党友による地方票を合わせた766票で争われる。新上五島町の無職、古井田ツタ子さん(73)は党内の派閥争いには注目しながらも「総裁選は、私たちが応援したくても投票できないし、身近に感じられない。誰がなってもいいかな」と述べた。
 コロナ禍、菅義偉首相の突然の不出馬表明を受けての総裁選。長崎市元船町の会社役員、山崎陽さん(59)は「準備不足からか各派閥の自主投票が目立つ。長く政権を握った安倍氏や麻生氏と距離を置く岸田氏が総裁になると党内で自浄作用が働くのではないか」と指摘。「新総裁には万全のコロナ感染対策を推し進め、落ち込んだ経済を活性化させる力が必要」と注文を付け、総裁選後の衆院選に注目している。

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