沖縄版「ワクチンパスポート」アプリ開発 「水際対策に」那覇市医師会など

 那覇市医師会は新型コロナウイルスに関して、ワクチン接種済みであることやPCR検査陰性を証明する、スマートフォンアプリをシステム開発のブルーブックス(那覇市、志茂英之社長)と共同開発した。15日、県庁記者クラブで会見し発表した。国のワクチン接種記録システム(VRS)と連動させる仕組みを想定。運用へ向けVRSに接続できる県や市町村と調整中という。同医師会の山城千秋会長は「若者のワクチン接種率の向上と水際対策に活用してほしい」と述べ、県や市町村にアプリ導入を呼び掛けた。

 ブルーブックスは那覇市医師会と連携し、健康診断結果などの医療情報をデータベース化し、個人や医療機関がインターネットで活用できるシステムを運用している。今回、開発したアプリは、このシステムを応用する。医療情報をワクチン接種情報やPCR検査情報にも広げ、「ワクチンパスポート」や「PCRパスポート」としてQRコードで表示するという。

 同医師会生活習慣病検診センターの崎原永辰所長はアプリ推奨の目的として、「冬にかけて感染を増やさないためには新規感染者を減らすことが大切だ」と指摘。感染者のほとんどがワクチン未接種者だと説明し、ワクチンの接種率向上の意義を強調した。

 政府はワクチンパスポートを12月にも導入する方針だが、県内の経済界からは、県独自のいち早い導入を求める声もある。山城会長は「宣言解除後のさまざまなイベントや経済活動などに活用してほしい」と呼び掛けた。崎原所長は「経済や観光の回復に副次的に発展していければ」と期待を示した。

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