MotoGP第14戦サンマリノGP:バニャイアが2戦連続でレコード更新タイムを記録し、ポール獲得

 MotoGP第14戦サンマリノGPの予選がイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われ、MotoGPクラスはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が2戦連続でオールタイム・ラップ・レコードを更新するタイムを記録。ポールポジションを獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はQ2進出ならず、13番手で予選を終えた。

 MotoGPクラスの前に行われたMoto3クラスのフリー走行3回目で2回の赤旗中断が発生した。このため、MotoGPクラスのフリー走行3回目は20分遅れでセッションスタート。初日のフリー走行1回目終盤とフリー走行2回目は雨に見舞われたが、この日は気温29度、路面温度33度のドライコンディションでの走行となった。
 
 セッション序盤にはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップタイムをマーク。初日にウエットコンディションで苦戦していたファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)はこの日は序盤から好調で、2番手につける。さらに20分すぎ、初日総合トップのマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が1番手に浮上した。
 
 残り時間が10分になると、クアルタラロがトップに浮上。残り時間5分でバニャイアが1分31秒936を記録し、クアルタラロのタイムを上回って1番手につけた。終盤に入って予選Q2へのダイレクト進出をかけたタイムアタックが激しくなっていくが、ここでマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が14コーナーで転倒。マルク・マルケスはこのとき、13番手だった。また、ダニロ・ペトルッチ(テック3KTM・ファクトリーレーシング)、イケル・レクオーナ(テック3KTM・ファクトリーレーシング)が転倒を喫し、イエローフラッグが提示されたため、アタック中のライダーにはタイムの更新が難しい状況となる。

 このセッションを制したのはバニャイア。2番手にはクアルタラロがつけ、3番手はミラー、4番手はミル。5番手にはビニャーレスが入った。
 
 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は最後に記録したタイムがイエローフラッグ違反のためにラップタイムが取り消しとなり、12番手。マルク・マルケスは14番手、バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は18番手、ヤマハでMotoGPに復帰したアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ペトロナス・ヤマハSRT)は20番手だった。

 フリー走行4回目は、クアルタラロがトップ。2番手はアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、3番手はバニャイアで、4番手がヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)、5番手はミルだった。中上は7番手でセッションを終えている。
## ■予選:バニャイアが2戦連続のポール獲得
 予選は気温28度、路面温度38度で始まった。Q1から予選に臨むのは、マルク・マルケス、中上、ロッシ、KTMの4ライダーなどの14名である。

 最初に1分33秒を切ったのはエネア・バスティアニーニ(アビンティア・エスポンソラーマ)。1分32秒528でトップに浮上し、その翌周にもタイムを詰めて1分31秒876を記録。2番手にはフランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がつける。また、前半のアタックではロッシが15コーナーで転倒を喫した。ロッシはピットに戻り、残り時間5分で再びコースインしてアタックを行っている。

 終盤、中上がタイムを更新して2番手に浮上。しかし直後にそのタイムをマルク・マルケスが上回って2番手にポジションを上げ、中上が3番手に後退する。中上はその翌周に最速タイムを刻んでいたが、9コーナーで転倒してしまい、ここでアタックを終えることになった。

 バスティアニーニは序盤に記録したタイムで1番手を維持。2番手のマルク・マルケスとともにQ1を突破した。

 続いて始まったQ2では、序盤にクアルタラロが1分31秒367のトップタイムを叩き出す。クアルタラロがトップ、2番手がバニャイア、3番手がホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)というトップ3で、Q2は後半の時間帯に入った。

 残り時間4分、マルク・マルケスが9コーナーでクラッシュ。マルク・マルケスは4番手につけていたが、ここでアタックを終えた。

 そうした中、バニャイアが1分31秒065を記録してトップに躍り出た。バニャイアはこのタイムで、これまでのオールタイム・ラップ・レコードである1分31秒077を更新した。さらにチームメイトのミラーが2番手に浮上する。3番手に後退したクアルタラロはアタックを続けていたが、残り時間が1分を切ったところで、1コーナーでクラッシュを喫してしまった。

 この結果、バニャイアがポールポジションを獲得。前戦アラゴンGPに続き、レコードブレイクのタイムでのポール獲得となった。2番手はミラー、3番手はクアルタラロとなり、2戦連続でドゥカティが予選でワン・ツーに並んだ。また、ポールポジションのバニャイア、2番グリッドのミラー、3番グリッドのクアルタラロというフロントロウの顔ぶれと並びとしても、前戦アラゴンGPと同じものとなった。

 4番手はマルティン、5番手がザルコで、2列目までにドゥカティライダーが4人並んでいる。6番手はポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)で、ホンダ最上位。アタック中に転倒を喫したマルク・マルケスは7番手だった。

 初日1番手だったビニャーレスは10番手、チャンピオンシップでランキング3番手につけるミルは11番手。中上は13番手、ロッシは23番手、ドヴィツィオーゾは24番手から明日の決勝レースを迎える。

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