【新日本・G1】鷹木信悟 “王者V”で権利証は潰す! 飯伏&内藤踏み台に米で「挑戦者探しプラン」

トップロープから石井(右)をぶん投げる鷹木

新日本プロレス最高峰のリーグ戦「G1クライマックス」が、18日にエディオンアリーナ大阪で開幕。Aブロック公式戦で、IWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟(38)が石井智宏(45)を下して白星発進した。このままIWGP世界王者としてG1を制覇すれば、来年1月4、5日東京ドーム大会での挑戦権利証システムは消滅する。鷹木はそれを見越して〝大物挑戦者〟を探すべく、米国マットに殴り込む青写真を披露した。

名勝負製造機との初戦は壮絶な意地の張り合いとなった。試合が動いたのは25分過ぎだ。強烈なパンピングボンバーを決めた鷹木は、ノド元チョップにもナックルパートで応戦。ヘッドバット合戦からラスト・オブ・ザ・ドラゴンをさく裂させ、激闘に終止符を打った。

Aブロックで3強と目された「昭和57年会」の飯伏幸太(39)、内藤哲也(39)がそろって黒星発進となる中で絶好のスタート。「内藤も飯伏も負けたのか…。俺たちの世代がプロレス界を引っ張っていくと言ったが、前言撤回だな。やっぱりこの俺がプロレス界を引っ張っていくしかねえだろ」とライバルたちをけん制しつつ、勝ち誇った。

近年のG1は優勝者に翌年東京ドーム大会でのIWGP挑戦権利証が与えられるのが通例。だが、武藤敬司、佐々木健介に続き3人目の王者でのG1制覇を果たせば、新たな展開が生まれてくる。鷹木は「優勝したら俺が対戦相手選んだっていいんだろ?」と豪語する。

かねて東京ドームで戦いたい相手として名前を挙げていたのは、7月に決まっていたタイトル戦が流れた飯伏と、同門の内藤だった。だが、2人とはG1で同じブロックにエントリー。「ヤツらがG1優勝したら、東京ドームって可能性もあったけど、なんならここで決着をつけてもいい。内藤との公式戦(26日、神戸)は俺の第2の故郷、飯伏との公式戦(10月3日、愛知)は俺のデビュー17周年記念試合。決着をつけるには絶好のシチュエーションだしね」と、その舞台はG1に前倒しとなった。

となれば必然的に目は〝外〟に向けられる。「今は米国がにぎやかにやってるし、もちろん気にはなるよね。海外の大物の中には、過去に対戦経験があって貸しがある人間もいるし、何人かツイッターで俺の名前を出してるヤツもいるみたいだから」と不敵な笑みを浮かべた。

具体名こそ挙げなかったものの、過去の対戦で敗れた大物というキーワードで真っ先に思い浮かぶのは2010年7月に「DG USA」マットで敗戦したブライアン・ダニエルソンだ。また、SNS上で鷹木の名前を出していた大物には、現WWE王者のビッグEが当てはまる。

とりわけ、米WWEを離れたブライアンの新たな主戦場となった米AEWには、すでに新日本から永田裕志、小島聡、鈴木みのるらの参戦が実現している。鷹木は「米国だと客が声を出して会場も盛り上がってるみたいだし、直接行ってみるのもありかな。今は日本人選手も何人か行っているし」と、挑戦者探しのための渡米を見据えた。

もちろんそのためにもまずはG1制覇が不可欠。ワールドワイドな野望も胸に、ザ・ドラゴンが頂点へと突き進む。

© 株式会社東京スポーツ新聞社