年金保険料の未納はありませんか?「ねんきんネット」の利用方法教えます

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保険料の未納期間があると老齢基礎年金が減る

満額の老齢基礎年金を受給するためには、20歳から60歳までの40年間のうち、保険料納付済期間(以下のいずれかの条件を満たす期間)が480月あることが必要です(※1)。

__(1)第1号被保険者(自営業者など)として国民年金の保険料を納めた期間
(2)第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者および共済組合の組合員)であった期間
(3)第3号被保険者(第2号被保険者に扶養されている配偶者)であった期間__

この期間に国民年金保険料の未納があると、その月数分だけ年金額が減額されます。
老齢基礎年金額=満額の老齢年金額×保険料納付済月数/480月

例えば、未納期間が12ヶ月あると保険料納付済月数が468月となり、令和3年度の老齢基礎年金の満額である年間78万900円に対し、40分の39に相当する76万1378円に減額されます。
78万900円×468月/480月≒76万1378円

なお、国民年金保険料の免除期間(※2)がある場合は免除割合に応じて月数が調整されますが、ここでは国民年金保険料の免除期間がなかったものとして説明しています。

ただし、産前産後期間の保険料免除期間は、保険料納付済期間の月数として扱われます(※3)。また、納付猶予制度(※2)や学生納付特例制度(※4)により保険料の支払いを猶予されていた期間については、その後10年以内に保険料を追納しない限り、年金額の計算では未納期間と同様に扱われます(※5)。

未納期間の有無を確認する方法は

過去に保険料の未納期間があったか否か確認する手段として、以下の3とおりの方法があります。

1. 市区町村役場や年金事務所などで確認

お住まいの市区町村役場の年金担当課、全国の年金事務所または街角の年金相談センターで、年金加入状況の確認を行うことができます。なお、年金事務所などの窓口で相談する際には基礎年金番号が必要になります(※6)。

2. 「ねんきん定期便」で確認

毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」で、保険料の未納の有無を確認できます(※7)。

ねんきん定期便は、節目の年(35歳、45歳、59歳)に届く封書形式と、それ以外の年に届くはがき形式の2種類があります。

封書形式のねんきん定期便には、加入期間の全ての年金記録情報が記載されており、過去の未納月数と未納時期の確認が可能です。一方、はがき形式では過去1年間での未納月の有無を確認できます。

3. 「ねんきんネット」を利用して確認

日本年金機構のインターネットサービス「ねんきんネット」を利用すると、これまでの年金の加入記録や将来の年金の見込額といった年金情報を、パソコンやスマートフォンでいつでも確認することができます(※8)。

「ねんきんネット」の利用方法

ねんきんネットを利用するためには事前登録が必要です。登録方法には「マイナポータルとの連携」と「ユーザIDの取得」の2つがありますが、ここではユーザIDを取得する方法について詳しく説明します(※9)。

1. ユーザIDを取得

ねんきんネットへのログインに必要なユーザIDは、新規登録をすることで取得できます。

新規登録にはアクセスキーを使用する方法と、アクセスキーを使わない方法があります。アクセスキーとはユーザIDを取得する際に使用する17桁の番号で、ねんきん定期便に記載されていますが有効期限は到着後3ヶ月となっています。また、登録には基礎年金番号とメールアドレスも必要です。

(※10、11を基に筆者作成)

(1)アクセスキーを使用する方法
ねんきんネットのトップページにある「新規登録」ボタンをクリックして「有効なアクセスキーあり」に進みます。その後、アクセスキー、基礎年金番号、氏名、生年月日などを入力し、ログインするためのパスワードなどを設定して申し込みを完了すると、登録したメールアドレスにユーザID確認メールが届きます。

あとはメールに記載されたリンクをクリックし、設定したパスワードを入力してユーザIDを取得します(※10)。

(2)アクセスキーを使わない方法
ねんきんネットのトップページで「新規登録」から「アクセスキーなし」に進み、基礎年金番号、氏名、生年月日、住所などを入力し、ログイン用のパスワードなど設定してユーザIDの発行を申し込みます。

申込後、5営業日程度で日本年金機構からユーザIDを知らせるはがきが届きます(※11)。

2. 「ねんきんネット」で未納の有無を確認

ユーザIDを取得できたら、ねんきんネットで国民年金保険料の未納期間と、今後、納付が可能な月数や保険料の金額を確認します(※12)。

トップページから「年金記録を確認する」に進み、「詳細な年金記録を確認する」の「国民年金保険料の納付・後払い(追納)が可能な月数と金額を確認する」をクリックすると、未納期間などがある場合は「納付・後払い(追納)が可能な月数」と保険料の合計額が表示されます。

未納の年金保険料を納める方法

1. 納付期限から2年以内に納付する

国民年金保険料の納付期限は、納付対象月の翌月末日となっています(※13)。この期限を過ぎると保険料未納として取り扱われますが、時効となる2年以内であれば後からでも保険料を納付できます(※14)。

未納期間があることに気付いたら、お住まいの市区町村役場、または年金事務所で納付の手続きについて確認や相談をすると良いでしょう。

2. 国民年金に任意加入する

60歳までに40年の保険料納付済期間がないため、老齢基礎年金を満額受給できない場合は、60歳以降に国民年金に任意加入することで年金額を増やすことができます。ただし、任意加入できるのは以下の全ての条件を満たす方です(※15)。

__(1)日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方
(2)老齢基礎年金を繰上げ受給していない方
(3)20歳以上60歳未満までの保険料納付月数が480月(40年)未満の方
(4)厚生年金保険、共済組合等に加入していない方__

まとめ

国民年金保険料の未納期間があると、満額の老齢基礎年金を受給することができません。未納の保険料は納付期限から2年以内であれば後からでも納付可能なため、ねんきんネットを利用して未納期間の有無と納付できる保険料を確認しましょう。

出典
(※1)日本年金機構 老齢年金ガイド 令和3年度版
(※2)日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
(※3)日本年金機構 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
(※4)日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
(※5)日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
(※6)日本年金機構 年金のご相談について
(※7)日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
(※8)日本年金機構 ねんきんネット
(※9)日本年金機構 「ねんきんネット」のご利用方法
(※10)日本年金機構 アクセスキーをお持ちの場合の登録方法
(※11)日本年金機構 アクセスキーをお持ちでない場合の登録方法
(※12)日本年金機構 追納等可能月数と金額の確認
(※13)日本年金機構 国民年金保険料
(※14)e-Gov 国民年金法 第百二条
(※15)日本年金機構 任意加入制度

執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士