長崎県内「まん延防止」解除後 初の週末 長崎の繁華街に人出 観光地まばら

多くの人が行き交う長崎市中心部のアーケード=同市浜町

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、長崎県内に適用されていた「まん延防止等重点措置」が解除され、県独自の緊急事態宣言も佐世保市を除き解かれて初の週末となった18日、長崎市内の繁華街には多くの買い物客が訪れ、人出が戻り始めた。一方、観光地周辺の人通りはまばら。例年なら集客が期待される「シルバーウイーク」がスタートしたが、事業者にとっては県外客が戻るまで我慢の日々が続きそうだ。
 午後3時すぎ、同市中心部のアーケードには家族連れら多くの人が行き交っていた。NTTドコモがまとめた18日午後3時時点のアーケードの人出は、前日比34.9%増。諫早市のパート従業員女性は「感染者数が減ってきたので久々に来てみた。予想以上に人が多い」と驚いた様子だった。
 一方、長崎市内の観光施設周辺の人通りは戻っていない。グラバー園の同日の入場者数は918人で、2019年のシルバーウイーク初日と比べ3分の1。眼鏡橋近くに出ていたアイスの屋台の販売員は「売り上げはコロナ前の1割。県外客が戻らないと厳しい」とため息をついた。
 例年は連休中に約2万人を集める「長崎居留地まつり」も様変わり。同市内の旧外国人居留地を舞台にした催しだが、感染拡大防止のため今年は初めてオンライン開催。同まつり実行委員長で長崎さるくガイドの桐野耕一さんは、オランダ坂周辺を歩いて魅力を配信し「面白いことを発信している街だなと興味を持ち、来てもらうきっかけになってほしい」と語った。
 県民向け宿泊割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」の停止で打撃を受けている宿泊、観光事業者の中には、お得なプランを打ち出す動きも。稲佐山観光ホテルはワクチン接種者を対象に館内で使えるクーポンが付いた宿泊プランを販売。担当者は「少しずつ予約が入ってきた。キャンペーン再開にも期待したい」。長崎遊覧バスは、天井を開放したオープンバスで市内を巡るツアーを、今月末まで県民には半額の千円で販売。この日、夫婦でツアーに参加した長崎市城栄町のパート従業員、池田勝さん(62)は「ワクチンも打ったし、イベントがあればどんどん参加したい」と笑顔を見せた。

オンラインで居留地の魅力を発信する桐野さん(左)ら=長崎市東山手町

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