東京県人会500人割れ 高齢化、懇親会中止など影響か

東京県人会の会員数の推移

 東京都内や周辺に住む栃木県出身者らでつくる東京県人会の3月末時点の会員数が465人となり、500人を割り込んだことが、18日までに県のまとめで分かった。新型コロナウイルスの影響で勧誘活動が進まなかったことが大きな要因。本年度は副会長に発信力のある現役世代を登用し、特に若年層の加入促進に力を入れる。

 県人会は本県出身者やゆかりの人の親睦などを目的に1993年、設立された。栃木県のイメージアップや情報発信の役割も期待されている。県東京事務所によると、2020年の529人から64人(12%)減少した。13年に会費未納会員の整理を実施したため、14年以降は500人台前半で推移していた。未納会員の整理以前は800人程度いた。

 入会者は例年50人前後に上るが、昨年1年間は10人にとどまった。高齢化による自然減に加え、同事務所の関本充博(せきもとみつひろ)所長は「コロナ禍で外出機会が減り、勧誘活動が十分にできなかった」と説明。県人会活動の目玉で7月の総会に合わせて開催する懇親会が中止となったことなども影響したとみている。

 会員の高齢化も顕著で、年代別で最も多いのは70代以上の45%。60代は23%、50代と40代以下は各16%だった。

 近年は50歳未満を対象にした「とちぎ若者会」を開催するなど、若年層を意識した活動を展開。本年度も引き続き現役世代の新規会員獲得に力を入れる考えで、副会長に俳優、フリーアナウンサーの岩瀬晶子(いわせあきこ)さん=宇都宮市出身=を起用し、若年層にアピールする。

 コロナ感染の収束が見通せない中、大島栄寿(おおしまえいじゅ)会長は「県人会は、古里の魅力を語り合い郷愁を感じる場。オンライン会合や出身市町ごとの会など新たな取り組みで工夫しながら、会員を増やしていきたい」と話している。

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