金爆・鬼龍院翔、作曲センスはガチだった? プロが絶賛する「女々しくて」の革新性とは

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【連載】MUTEKI DEAD SNAKEのBUCHIAGARU!! music

ヴィジュアル系エアーバンド――そんな唯一無二の肩書で活躍する「ゴールデンボンバー」。

2013年に大流行した「女々しくて」でのブレークから8年。令和改元の直後に新元号ソングを発表するなど、ユニークな取り組みで世間を騒がせ続けている。最近では、ボーカル・鬼龍院翔さんの結婚発表などが世間の注目を集めた。

バラエティー番組などでの活躍もあり、その濃いキャラクターばかりに注目が集まる印象だが、彼らのサウンドにはどんな特徴があるのだろうか。音楽作家のMUTEKI DEAD SNAKE氏が、「女々しくて」を通じて解説する。

大黒摩季や狩人の影響も...?

「ヴィジュアル系エアーバンド」として大人気のゴールデンボンバーの「女々しくて」は、個人的に大好きな一曲で、みんなが知っている曲だということもあり、カラオケに行くと必ず歌っています。

あまりに名曲すぎて、人生で一度くらいこんな曲を作れたら作曲家として悔いはないな...という気持ちに聴く度になってしまいます。

◆歌謡曲を独自に落とし込んだメロディーにBUCHIAGARU!!

「女々しくて」を聴いていて感じるのが、鬼龍院さんは歌謡曲が大好きなんだろうな!ということです。

印象的な「女々しくて 女々しくて」の部分は、歌手・大黒摩季さんの「熱くなれ」を彷彿とさせますし、サビの最後の「辛いよ」という部分は兄弟デュオ「狩人」の「あずさ2号」を彷彿とさせます。

それ以外にも、歌のメロディーや楽器一つ一つのフレーズに昭和歌謡のエッセンスを感じさせるものが多く、どこか懐かしさや哀愁を感じます。

その一方で、サビ前半部分のコード進行や、少ない音数で印象的なメロディーを構築するのはユーロビート的でもありますし、思わず踊りたくなってしまいますよね。

しかし、楽曲のサウンドは昭和的なものでもユーロビート的なものでもなく、自ら「ヴィジュアル系エアーバンド」と名乗っている通り、ヴィジュアル系的なバンドサウンドに煌びやかなブラスを足したサウンドになっています。

影響を受けた様々な要素を組み合わせた結果として、唯一無二のものを作り出しており、誰にも真似できないオリジナリティを形成しています。

鬼龍院さんが音楽の専門学校で学んでいたということもあり、クリエイターとしてのスキルをしっかり持っているからこそ、このような過去に前例のないチャレンジングな楽曲を成立させることができたのだろうなと思います。

キャラクターソングとしても成立?

◆プロデュース力の高い世界観にBUCHIAGARU!!

こちらの楽曲、もちろんメロディーもアレンジも非常におもしろいものになっているのですが、ここまで愛される楽曲になったのは、グループのコンセプトと楽曲のテーマががっちりと噛み合ったからだと思います。

これはゴールデンボンバーだけに当てはまるわけではないと思うのですが、アーティストにとって代表曲となり得る楽曲は、そのアーティストにとってのキャラクターソングとして成立できる曲になっていることが多いと思います。

「女々しくて」の歌詞で描かれている世界観は、イケてない主人公が元カノに未練タラタラ、といったようなちょっとダサい内容で、お世辞にもかっこいいとはいえないテーマになっています。

このようなテーマを王道のイケイケなヴィジュアル系バンドが歌った場合、聴こえ方が全く変わってくると思いませんか?おもしろい曲だなとは思ってもらえそうですが、代表曲にまではならないような気がします。

やはり、ゴールデンボンバーの「ヴィジュアル系エアーバンド」という突っ込みどころ満載のコンセプトや、メンバーのコミカルで親しみやすいキャラクターがあってはじめて生きてくる歌詞になっていますし、歌っている時のハマり具合がやはり素晴らしいですよね。

客観的に、自分たちの見え方を把握できるプロデューサー的な目線があるからこそ作り上げることができる世界観だなと思いますし、売れるべくして売れた方々だな...と思います。

今回でBUCHIAGARU!! musicは連載終了となります。今まで普通に聴いていた楽曲でも改めてコラムを書くことで新しい発見をすることが多く、楽しんで連載をすることができました!約半年間、読んでいただきありがとうございました!