「ゲレロ3冠王」ならエンゼルス・大谷のMVPはどうなる?

大谷のMVPは確実視されていたが・・・(ロイター)

エンゼルス・大谷翔平投手(27)を巡り「ア・リーグMVP論争」がヒートアップしている。

1918年のベーブ・ルース以来の「2桁勝利&2桁本塁打」まであと1勝としている大谷の次回登板は19日(日本時間20日)のアスレチック戦と決まったが、本塁打王争いで現在トップのゲレロ(ブルージェイズ)に3冠王の可能性が高まってきたことで「ゲレロMVP説」が浮上。大リーグ公式ホームページでは、17日(同18日)に「3冠王を取った=ゲレロMVPなのか?」との見出しで記者やアナリストらによる熱い議論を紹介している。

アナリストのマイク•ペトリエロ氏は「3冠王をゲレロがとっても大谷が100%MVP。(3冠王は)とても珍しい記録だが、前代未聞ではない。1920年以降で10選手が達成している記録。大谷がやっていることを誰もやったことはない」。

リサーチ兼記者のデビッド•アデラー氏は「3冠王は、あくまでもその選手が記憶に残るシーズンを過ごした指標に過ぎない。MVPを獲得する理由はそれだけはない。ゲレロがMVPを獲得した場合、我々はきっと将来、2021年を振り返って『ちょっと待って、一体どうして大谷がMVPではないんだ?』って言うことになる」。

一方、エグゼクティブ記者のマーク•フィーンサンド氏は「シーズンを通しての活躍、スタッツ、そこにブルージェイズの成功が加わったら、MVPとして考慮するのに十分値する。彼のシーズンは、チームにとって最も有効で、それこそ『価値』のある選手。大谷がMVPに異論はないが、素晴らしいシーズンを送っているゲレロを却下するのは馬鹿げている」とした。

結論として、ペトリエロ氏は「ゲレロはすごいし、彼を大事にすべきだが、ここ数週間で変わったのは『大谷が満場一致で勝つ』から『大谷が「余裕で勝つ」くらいだと思う」と締めくくったが、フィーンサンド氏の「(投票者には)なんて残酷なレースを判断しなきゃならないんだって思うよ。大谷で決まりと何か月も思っていたけど、ゲレロが実に興味深くしてくれているね」とのコメントのように、野球記者協会の投票者にとっては実に悩ましい数週間と言えそうだ。

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