鷹とオリが苦戦、日本ハムと西武が“台風の目”? 9月に入って混沌とするパの勢力図

オリックス・中嶋聡監督(左)とソフトバンク・工藤公康監督【写真:荒川祐史】

好調ロッテに続くのは日本ハムと西武の下位2球団

2021年のペナントレースも佳境に差し掛かってきた。各球団が110試合前後を消化し、残り試合数も30試合ほど。その終盤戦で、ロッテが首位を走るパ・リーグの“勢力図”が激変している。

パ・リーグはここまでロッテが首位に立ち、2.5ゲーム差でオリックスが追いかける展開。3位には楽天が位置し、2年連続のリーグ優勝を狙うディフェンディングチャンピオンのソフトバンクは首位から8ゲーム差の4位に沈む。ロッテから最下位の日本ハムまで12.5ゲーム差と、上位と下位の差はそれほど開いていない。

今後の優勝争いの行方を左右しかねない“変化”が9月に入って生じている。ロッテが6連勝を飾る一方で、オリックス、楽天、ソフトバンクが苦戦を強いられ、下位の西武と日本ハムがここに来て上昇気配を見せているのだ。

9月の各球団の成績を見てみよう。ダントツの好成績を残すのはロッテだ。18日の日本ハム戦では0-1で敗れたものの、14試合で8勝3敗3分と5つの貯金を作る。6連勝をマークするなど、オリックスから首位の座を奪い取り、51年ぶりの優勝マジック点灯に近づいている。

このロッテに次ぐのが、最下位の日本ハムだ。ここまで40勝52敗17分の借金12と苦戦ぶりが現れているが、9月に限れば、15試合を終えて6勝5敗4分と1つの勝ち越し。月間で勝ち越しているのはロッテと日本ハムだけだ。

日本ハム・栗山英樹監督(左)と西武・辻発彦監督【写真:石川加奈子、荒川祐史】

ロッテを追いかけるオリックス、楽天、ソフトバンクは奮わず

この2球団に続いているのが5位の西武。18日のオリックス戦で敗れて6勝6敗1分と月間5割に戻ったものの、まずまずの成績となっている。3球団と対照的に、優勝争いの渦中にあるオリックス、楽天、ソフトバンクの成績は芳しくない。

楽天は13試合を終えて6勝7敗と1つの負け越し。ソフトバンクは4勝6敗2分と2つの負け越しで、日本ハム、ロッテと戦った直近6試合は4敗2分と1勝もできなかった。借金は今季ワーストの3に膨らみ、ロッテとの差も8ゲームまで拡大。優勝は非常に厳しい状況に追い込まれている。

ソフトバンク以上に急失速しているのがオリックス。15試合を終えて5勝8敗2分とパ・リーグ6球団でワーストの成績となっている。主砲の吉田正尚の故障離脱も痛いが、投手陣の月間防御率が5点台と悪化しており、苦戦の要因となっている。

西武は3位の楽天まで6.5ゲーム差、日本ハムも7.5ゲーム差と両チームともにクライマックスシリーズ進出の可能性も残る。ここに来て状態を上げつつある西武、日本ハムの下位2球団が優勝争い、そしてCS争いの“台風の目”になるかもしれない。(Full-Count編集部)

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