【NBA】〝女性軽視〟から前進 米国プロスポーツ史上初の女性実況アナウンサー誕生

「ガラスの天井」はNBAから崩れた(写真はイメージ)

米プロバスケットボール(NBA)で米国プロスポーツ史上初の女性実況アナウンサーが誕生し、大きな話題を呼んでいる。

米スポーツ専門放送局「ESPN」は「ミルウォーキー・バックスの新しい実況アナウンサーにリサ・バイントンを選任した。これは米国のメジャー男子プロスポーツ(野球・バスケットボール・アメリカンフットボール・アイスホッケー)の球団史上初となる女性の実況アナウンサーだ」と報道した。

プロスポーツの試合中継の実況を女性アナウンサーが担当するのは世界的にも異例で、大きな注目を集めている。

米メディア「ショージー」は「この国では長い間、スポーツは男性だけのものだった。男性がプレーしてコーチをして公職に就き、そしてコメントする。ラジオやテレビでは男性が唯一の実況だった」とスポーツ界では現在でも実況を男性だけが務めていると指摘。だが「平等を求めたり、別の声が聞こえてきている」と近年はあらゆる分野で男女平等を求める声が高まっており、ついにスポーツ実況の世界でも女性に門戸が開かれたというわけだ。

大役を射止めたバイントン氏も〝開拓者〟になるべくヤル気満々。米紙「USAトゥデー」に対して「男性アナウンサーの声は〝バックグラウンドノイズ〟で、それが正常な状態だ。それが女性の声ならどうなるか? 女性の声がテレビの試合中継で聞こえ、男性の実況のように試合のバックで流れる単なるノイズになるところまで到達できれば、私たちにとってのゴールだ」と意欲を語った。

そして「最初の女性がいなければ、その後には何も起こらない。次に2番目、3番目、4番目、5番目の女性が続いている」と自らが実況の大役を果たすことで、今後女性の実況アナウンサーが次々と生まれてくることに期待を寄せた。

スポーツ中継の世界にはびこってきた〝女性軽視〟の状況に、一石を投じることになりそうだ。

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