【MLB】大谷翔平、7試合連続本塁打なしの原因は? 絶好調時から低下している指標とは…

エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

本塁打王争いを演じるゲレーロJr.、ペレスとは速球系への対応に差が…

熾烈な本塁打王争いを繰り広げているエンゼルスの大谷翔平投手。18日(日本時間19日)のアスレチックス戦では4打数2安打としたものの、7試合連続で本塁打なしに終わり、本塁打数トップのゲレーロJr.との差は2本で変わらなかった。

6月は打率.309、13本塁打23打点と本塁打を量産し、7月も打率.282、9本塁打19打点と好調を続けていた大谷。だが、8月に入ると打撃の状態は下降線。打率.202、5本塁打8打点に終わると、9月もここまで打率.220、2本塁打4打点と苦戦が続いている。

では、絶好調だった6月、7月と状態が落ちた8月、9月で、打撃指標においてどんな変化が見られるのだろう。

月別の打撃指標を見ると、ファストボール系(4シーム、2シーム、カットボールなど)への対応に苦戦を強いられていることが分かる。6月は打率.313で6本塁打、7月は打率.375で4本塁打とファストボール系を得意としていたが、8月は.163で0本塁打、9月は.259で2本塁打となっている。

本塁打王を争うゲレーロJr.とペレスはこのファストボール系に対して、ここ2か月、3割を大きく超える打率を記録しており、そこに差が生じている。ブレーキングボール系(スライダー、カーブなど)に対しても、6月は打率.333で3本塁打と打っていたが、7月は打率.235で4本塁打、8月も.242で4本塁打、9月に至っては.071、0本塁打とほぼ結果に繋がっていない。

19日のアスレチックス戦では2安打を放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

好調だった6、7月と比べて大きく低下している「バレル率」

そのため、相手投手陣の攻め方にも変化が生じているようだ。7月はファストボール系が42.0%、ブレーキング系が33.9%、オフスピード系が24.1%という配球割合だったが、9月はファストボール系が54.3%、ブレーキング系が28.1%、オフスピードは17.6%に。速いファストボール系の割合が10%以上、上昇している。

打球の角度がつかないのも、本塁打が出ない要因だろう。本塁打が出やすい打球角度、速度とされる「バレルゾーン」に飛んだ割合を示す「バレル率」を見ると、6月にはファストボール系で37.5%、ブレーキング系で25%、オフスピード系(スプリット、チェンジアップ、フォークなど)でも16.7%あったが、7月に入り、ファストボール系が急降下して11.1%に。7月の段階では前月と同水準だったブレーキング系とオフスピード系も8月になって下降している。

打球角度の球種別の月平均を見ても、9月はファストボール系が12度、ブレーキング系が13度、そしてオフスピード系に至っては?13度と、フライが減り、ライナーやゴロが圧倒的に多くなっていることが分かる。

18日(同19日)のアスレチックス戦では久々に逆方向への安打が出た大谷。ジョー・マドン監督は「あれこそまさに、彼が調子がいい時の姿だ」と復調への手応えを口にしていたが、ここからどう状態を上げていくか。残る14試合でどれだけのアーチを放っていけるだろうか。(Full-Count編集部)

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