漫才師・正司敏江さん死去 80歳 夫婦での「どつき漫才」で一時代築く

夫婦漫才コンビ「正司敏江・玲児」で人気を博した、タレントの正司敏江=本名・及川キミコ=さんが、18日午前1時59分、脳梗塞のため大阪市内の病院で亡くなっていたことが19日、分かった。80歳だった。所属の松竹芸能が発表した。

松竹芸能によると、敏江さんは8月末に自宅で脳梗塞で倒れ、大阪市内の病院に救急搬送された。意識はなく、その後も病状が好転することはなかった。最期は1人娘に看取られて旅立ったという。葬儀はこの日、東大阪市で近親者のみで執り行われた。お別れ会などは、今のところ予定されていない。

敏江さんは1957年、「かしまし娘」の住み込み女中となり、62年、正司芳江、利江(のちの敏江)、春江のトリオで「ちゃっかり娘」を結成。64年に玲児さんと結婚し、68年に夫婦漫才コンビでデビューした。新作漫才を披露した際、玲児さんと舞台上でどつき合いのケンカになってしまったが、逆にこれが観客に大ウケ。以後、時には舞台の袖あたりまで飛ばされていく〝どつき漫才〟ができあがった。

プライベートでは76年に玲児さんと離婚したが、コンビは継続。離婚ネタも披露するなど漫才はパワーアップした。2010年玲児さんが死去した後はピン芸人として活躍。気さくな人柄で、劇場では客席まで降りていき、観客と会話しながら憎まれ口をたたくキャラクターで沸かせた。

最後の舞台は20年2月、大阪・心斎橋角座。以降は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、事務所が高齢であることを配慮し、仕事を入れていなかったという。

(よろず~ニュース編集部)

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