【シンガポール】8月輸出はプラス成長維持、電子好調で[経済]

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シンガポールの輸出は引き続き好調だ(Photo by Kurt Cotoaga on Unsplash)

シンガポールの輸出が引き続き好調だ。2021年8月の輸出額(NODX、石油と再輸出を除く)は、前年同月比3%増の157億6,990万Sドル(約1兆2,860億円)だった。前月から伸びは鈍化したものの、引き続きプラスを維持した。世界的な半導体需要の拡大を背景に、電子製品が好調だった。エコノミストは、今後は緩やかな伸びを示すと予想している。

シンガポール企業庁が17日に発表した統計によると、項目別では、電子製品が17%増の40億5,240万Sドルだった。特にダイオード・トランジスタは36%増で、伸びが最大だった。

最もシェアが大きい集積回路(IC)は2割増。前月の11%増から、上げ幅が拡大した。パソコン(PC)は14%増と、引き続き好調だった。

非電子製品は1%減の117億1,750万Sドル。前月の12%増から、マイナスに転じた。石油化学が31%増だった一方、非貨幣用金は66%減、医薬品も12%減とそれぞれ落ち込んだ。

輸出先別では、台湾が51%増で、シェア3位に浮上。主要国・地域で最大の伸び率となった。前月は37%増で4位だった。測定装置が2.7倍、特殊機械が2.6倍、ICが19%増で、伸びをけん引した。

低迷が続いていた米国は8%増。前月の51%減から、プラス転換した。

タイ向けは24%増で、前月から2桁台のプラスを維持した。香港向けは23%増、韓国向けは19%増と引き続き好調。日本向けは14%増だった。

一方、シェア首位の中国は18%減。前月の58%増からマイナス転換した。欧州連合(EU)向けも2割減と落ち込んだ。

UOB銀行のエコノミスト、バルナバス・ガン氏は「8月の輸出額の伸びは、予想よりも緩やかだった」とコメント。要因としては、前年同月が高水準だったことが考えられるという。

電子製品の堅調な伸びは、世界的な半導体需要の拡大が影響していると説明。中国向けの低迷については、7~8月の同国内の小売業売上高や産業生産高などの落ち込みと連動していると指摘した。

企業庁は8月、通年の輸出伸び率の予測レンジを従来の前年比1~3%増から7~8%増へ引き上げた。

UOB銀行のエコノミスト、バルナバス・ガン氏は「引き続き、世界的な貿易需要の回復が、シンガポールの輸出を支えるだろう」と語った。21年通年の輸出額は、8%増と見込んでいる。

英調査会社オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、スン・ユンジュン氏は「世界のサプライチェーン(調達・供給網)の混乱が、急速に回復する可能性は低い。輸出の勢いは、向こう数四半期かけて、少しずつ改善するだろう」との見方を示した。