【スターダム】“渦中”の葉月 迫る10・9復帰戦「人って生きていると意見が変わるなって」

葉月(右)が復帰戦の相手に選んだのはコグマだった(東スポWeb)

女子プロレス「スターダム」が10月9日、女子では約26年ぶりとなる大阪城ホールに進出する。第1弾でカードが決定したのが2019年12月に引退した葉月(23)の復帰戦だ。引退試合で団体への不満をした経緯があるため、ファン、選手からさまざまな声が上がる中での復帰となる。2回にわたりお届けする葉月インタビューの後編では、気になる今後について語った。

【葉月インタビュー後編】

――19年12月にプロレスを辞めた後は

葉月 最初は「よかったな」という感じで、何もすることないからツイッターとか見るじゃないですか。「ああ、ビッグマッチこんなのやってんだ」「自分がいたらどんな位置にいたんだろう」とかいろいろ考えてしまって。人に会った時は「もうやらないです」という感じだったけど、心のどこかでやりたいけど言えない葛藤があった。

――他の仕事はしていたのか

葉月 普通にバイトしてました。コンビニと居酒屋とって感じです。

――当時、気になったスターダムの話題は

葉月 自分がいた時よりどんどん外からの選手が増えていて。生え抜きが活躍している部分もあるけど、外から見ると外から来た選手が話題を持っていってるなと。こんなんでいいのかな?って思っちゃいましたね。(渡辺)桃とか、もうちょい活躍してほしいなって思いましたけどね。

――3月3日の日本武道館大会では外から来たジュリアと中野たむの髪切りマッチがメインで話題を呼んだ

葉月 話題持っていってしまうんだなって。そこに対して生え抜きは何も発信しないんだなって思いましたね。

――体は動かしていたのか

葉月 花の大会(5月23日の木村花さんメモリアル興行)に出ると決まってもう一回ジムに通い始めて。今までトレーニングをするのが仕事の一環だった。でも、一般人になって1日限定で復帰するとなったら、普通にバイトして、そこからトレーニングしてってなるので「結構しんど!」って。

――復帰戦は大阪城ホールだ

葉月 今は楽しみの方が勝っているんですけど、近づくにつれて緊張が半端ないと思う。そんなに大きな舞台に立ったことないし。(19年4月に米ニューヨークの格闘技の殿堂)マジソン(スクエア・ガーデン)に立った時は隣に花月さんがいたりでほぐれたけど、今回はシングルだから。

――相手は同じく6月に現役復帰したコグマだ

葉月 天才と言っても(コグマは6年の)ブランクがあるので、負けてられないなって。やってきた期間が違うということは、それだけ自分の方が知っているわけだし、コグマには負けてばかりだったので、シンプルに勝ちたいですね。

――生え抜き選手たちに賛同を呼びかけた

葉月 上から目線みたいですけど、自分は生え抜きをもっと盛り上げたいなと思っている。ずっとスターダムにいた生え抜きの中でも、自分のことをあまりよく思ってない人もいると思う。だから時が来たらという感じですかね。今、生え抜きと一緒にどうこうと言っても何の説得力もないと思うので。これからの自分の行動とか言動とか、そこを見て一緒にやっていこうという人がいたら来てくれるだろうし、自分からもいくだろうしという感じです。

――周囲からのどんな声も受けとめる言った。否定的なファンに思うことは

葉月 そういう声があるというのも、すごく注目されていると思う。人って生きていると意見が変わるなって思うんですよ。ああいう辞め方をして絶対に戻らないと思ったけど、時がたったら戻りたいなとなったわけだし。これから試合でいろいろな魅せ方をすれば、批判的な方も味方についてくれるだろうし。批判してくれる人も復帰に賛成してくれる人も、両方ありがたいなって思います。

――復帰後はどんなスターダムにしたい

葉月 今でも十分華やかだし、面白いというのはあると思うけど、もっと面白くしていきたい。もっと個々の主張ができる選手が増えていってほしいなって。自分はやり残したことがあるから戻る決断をしたし、戻ったからには昔からずっと言っている白いベルト(ワンダー王座)を巻きたい。今のスターダムの人って「このベルト狙えるから今言っちゃおう」みたいな感じにしか見えない。もっと「このベルトが欲しい」「こうなりたい」という自分の意見がハッキリしている人が出てほしいと思います。(終わり)

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