ベトナムの感染拡大で製造業が中国に押し戻される―米メディア

© 株式会社 Record China

米経済メディアのクオーツは16日、「ベトナムでの新型コロナの感染拡大により、製造業が中国に押し戻されている」とする記事を掲載した。中国紙・環球時報(電子版)が18日、その内容を要約して次のように伝えている。

過去数年間、一部の企業は製造業務を中国から近隣の東南アジア諸国へと移してきた。ベトナムは最も人気のある目的地の一つだったが現在、新型コロナの感染拡大により各地で工場が閉鎖されたことを受け、企業は続々と工場を中国に戻している。

米国の靴とアクセサリーのコングロマリットであるデザイナー・ブランズの最高経営責任者(CEO)、ロジャー・ローリンズ氏は「誰もが中国から抜け出すために費やした努力の量を考えると、今あなたが商品を手に入れることができる場所の一つは中国だ。本当にクレイジーで、誰もがジェットコースターに乗っているようなものだ」と話している。

デルタ株の猛威は、ワクチン接種率がわずか4%のベトナムにとって耐えられないほどの負担だ。各地で工場が閉鎖され、生産量は大幅に減少し、グローバルブランドの利益をむしばみ始めている。ドイツのスポーツ用品メーカー、アディダスは、ベトナムでの生産遅延により、今年の売上高が6億ドル(約660億円)下押しされる見通しだと発表した。

一部の企業は、ベトナムへの移転を可能な限り迅速に取り消すことで対応している。米国の防護服メーカー、レイクランド・インダストリーズのCEO、チャールズ・ロバーソン氏は9月の決算発表で、「数週間のうちに生産能力をベトナムから中国へ移す」のを支援するために新しい幹部を雇用したと述べた。イタリアの家具ブランド、フッカー・ファニチャーのCEO、ジェレミー・ホフ氏は「率直に言って、必要に応じてある程度は中国に戻っている」と述べている。

経営幹部の中には、中国に戻ることを望まない人もいる。中国でのサプライチェーンの設定には費用と時間がかかる。中国から輸出された商品に対する米国の関税も考慮しなければならない。しかし、米国の家具メーカー、ラブサックのCEO、ショーン・ネルソン氏は決算発表で、「生産をベトナムから中国へ移さざるを得なかった。それによって、在庫を保つことができる。私たちにとってとても重要なことだ」と述べている。

ホリデーショッピングシーズンを迎える前に生産を増やす必要がある多くの企業にとって、中国に戻ることは、最も悪い選択肢であるとは言えない。パンデミックの間に中国は、「安定性」という評判を高めた。米ハーバード大学のビジネススクールでサプライチェーン事情を専門とするウィリー・シー教授は「早くも昨年のうちに中国に戻った企業もある。重要な問題は、信頼できる製造が必要な場合、中国が最適な場所であるということだ」と述べている。(翻訳・編集/柳川)