ボクシングで史上初の世界8階級制覇を果たしたマニー・パッキャオ(42)が母国フィリピンの大統領選出馬を表明し、世界各国の元アスリート首脳候補に注目が集まっている。
パッキャオは与党「PDPラバン」から大統領候補に指名され「私はリングの中でも外でも常にファイターであり続ける」と大統領の座へ向けて強い意欲を見せた。
ボクシング界のスーパースターに大きな注目が集まる中、中国メディア「レモンスポーツ」は元アスリートが世界の大国でトップの座を狙っている例を紹介した。
まず挙げたのが米国のあの人気者。「20世紀で最高のボディービルダーに選ばれ、ハリウッドスターでもあるアーノルド・シュワルツェネッガーだ。カリフォルニア州知事を務め、70歳を超えてもまだ野心的であり、次の米国大統領選に立候補するつもりだ」。
サッカー王国のスターも政治の世界で順調なキャリアを重ねている。
「元ブラジルのサッカー選手のロマーリオだ。ブラジル代表のエースは、今やブラジル政治の場で別世界に住んでいる。ブラジル下院議員に選出され、2018年にはリオデジャネイロ州知事選にも立候補した」と指摘。現在は同国の連邦上院で副議長を務めており、有力政治家としての人気も着実に高めている。
ロシアで活躍するのはテニス界のレジェンドだ。「プーチン大統領の党には、世界的に有名だったマラト・サフィンがいる。かつてはテニス界で皇帝として知られ、世界ランキング1位にもなっている」。サフィンは4大大会の全米と全豪を制するなど活躍し、引退後に政治家に転身。与党の若手エースとして期待を集めており、プーチン大統領の秘蔵っ子として要職を務めている。
中国で成功しているのが卓球界のエースとして活躍した蔡振華氏だ。「アスリートとして彼は世界選手権で優勝した。指導者としては多くの世界チャンピオンを輩出し、今は政治の場に乗り出し、国技産業に新たな貢献をしている」。蔡氏は卓球だけでなくサッカー、バドミントンでも協会の会長を務めた〝スポーツ界のドン〟。2018年には中華全国総工会の副会長兼事務局長に任命されるなど要職を駆け上がっている。
またアフリカでは、リベリアでイタリア1部の名門ACミランでエースとして活躍したジョージ・ウェア氏が大統領を務めている例もある。
今後世界中で元アスリートの首脳が続々と誕生するかもしれない。