DeNAは“9月だけなら首位” 開幕のどん底から一転…三浦監督が語る急浮上の要因

DeNA・三浦大輔監督【写真:宮脇広久】

来日1年目ロメロが初完投初完封、9月に入ってから3戦3勝

■DeNA 6ー0 中日(20日・横浜)

就任1年目の三浦大輔監督率いるDeNAが、どん底から急浮上してきた。20日には本拠地・横浜スタジアムで中日に6-0と快勝。今季初の単独4位に浮上した。46勝55敗14分となり、最大で「17」まで膨らんでいた“借金”が、4月14日以来159日ぶりに1桁の「9」に。9月だけなら9勝5敗1分、勝率.643でセ・リーグ首位の快進撃が続いている。

この日は、来日1年目の右腕フェルナンド・ロメロ投手が先発。107球を投げて6安打3四球無失点で、来日初完投を完封で飾って3勝目(2敗)を挙げた。来日当初は2連敗スタートだったが、9月に入ってから3戦3勝。150キロを超えるツーシームが最大の武器で、走者を許しても3併殺で切り抜けた。

三浦監督は「簡単に四球を出さず、ストライクゾーン内で勝負してゴロアウトを多く取れたのが良かった」と評価。9回のマウンドへ送り出す前に「『行けるか?』と聞いたら、食い気味に『イエス』と言ってきた」とか。「投げるたびにボールの強度が上がっている。来日前に見ていた映像の通りになってきた。日本の打者を研究し、慣れてきた感じもする」とうなずいた。今季3度目の「中5日」での登板で、そのタフネスは頼もしい。

前日19日にエースの今永昇太投手が1失点完投勝利を果たしたのに続き、先発投手が2試合連続完投。チームにとっては、2014年9月29、30日(いずれも阪神戦)の久保康友、山口俊(現巨人)以来7年ぶりの快挙である。

先発投手が5回を全うできなかった割合…9月は6.7%、3・4月は32.3%

「春先に比べれば、先発投手陣がしっかりゲームをつくれている。いい戦い方ができている要因だと思う」と三浦監督。確かに、9月の15試合で先発投手が責任投球回数の5回を全うできなかったのは、京山将弥投手が3回5失点KOされた11日のヤクルト戦のみで、割合は6.7%。3・4月に31試合中10試合で早期KOに追い込まれ、32.3%だった時期とは対照的と言える。特に、昨年10月に左肩のクリーニング手術を受けた影響で今季開幕に出遅れた今永は、9月に入って3戦2勝0敗、月間防御率0.75の無双ぶりだ。

打線はもともと12球団随一の破壊力を誇る。手薄だった先発投手陣も徐々に充実。さらに昨年2月にトミー・ジョン手術(左肘内側側副靭帯再建術)を受けた東克樹投手らもファームで順調に1軍復帰へのステップを踏んでいる。

3位・巨人とは依然9.5ゲームの大差があり、残り28試合でAクラス入りするのは容易ではない。開幕6連敗、10連敗を喫した序盤の戦いが今更ながら悔やまれる。それでも、残りのシーズンから来季へ向け、DeNAに楽しみな要素が揃ってきたことは、間違いない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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