音声認識によるタクシー予約を検証 長野県茅野市の実証実験で実施

ユカイ工学株式会社(以下、ユカイ工学)は、長野県茅野市の実証実験において音声認識でタクシーを予約することが可能か検証した。9月15日付のプレスリリースで明かしている。

ユカイ工学は、「ロボティクスで、世界をユカイに。」を目標として掲げ、数多くのロボットやIoTプロダクトを企画・開発している。今回の実証実験では、スマートキャピタル株式会社と連携して、ユカイ工学開発のコミュニケーションロボット「BOCCO emo(ボッコ エモ)」を活用する。

「BOCCO emo」は、2015年に誕生した「BOCCO(ボッコ)」の次世代モデルのコミュニケーションロボットだ。「BOCCO」には、音声メッセージの送受信、センサー連携、天気配信やリマインド機能、IoT機器との連動などの機能がある。「BOCCO emo」には、これらの機能に加えて、音声認識機能、ハンズフリー対話、Wi-Fi/LTEの通信方式に対応などの機能を追加している。

長野県茅野市は、諏訪地方中部に位置する都市だ。八ヶ岳、白樺湖など多くの観光資源を有しながら、人口減少、過疎化、高齢化などのさまざまな社会的課題を抱えている。広い面積を持つため自家用車での移動比率が高く、高齢者の免許返納が進んでいない。また、交通手段が潤沢でない人の日常生活での買い物や通院などの交通課題が発生している。

同市は、経済産業省と国土交通省が選定する令和2年度「スマートモビリティチャレンジ」の取り組みとして、実証地域のひとつとして選定された。2020年12月7日から2021年5月31日まで、AIオンデンマンド交通を導入した実証実験を実施している。

今回の実験では、ヴィアモビリティジャパンが運営するAIオンデマンド交通の予約ができるスマホアプリ「のらざあ」を利用した。コールセンターのオペレーターが電話にて利用者からの配車予約を受け付け、AIが乗合タクシーを配車する。

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「BOCCO emo」を使った音声認識による検証は、実験期間中の2021年5月27日と28日の2日間に行った。検証内容は、「BOCCO emo」が送信するテキストデータの精度と発話の聞き取りに対する検証だ。さらに、音声認識を使ったハンズフリー操作、本体ボタンを押しての操作の2つの方法を幅広い年齢層に提供した。

なお、ユカイ工学は、今回の検証で得られた課題解決を図るという。さらに、「BOCCO emo」が家族間、および地域を繋げるコミュニケーションハブになれることを目指すと述べている。

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