韓国の独占状態を打破、世界最大の中国LNG船は「4000万人1カ月分」を運搬

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中国の情報サイト「騰訊網」はこのほど、「韓国の独占を打破、中国は世界最大のLNG船を建設中 1度に4000万人の1カ月の生活用に提供」と題する記事を掲載した。

記事は冒頭で、中国の2020年における天然ガス消費量は3259億1000万立方メートルと説明。同年の国内生産は1925億立方メートルであり、中国は需要を満たすために、外国からの天然ガス輸入が不可欠と論じた。

天然ガスは常温常圧では気体だが、セ氏氷点下163度に冷却すれば、液化させての運搬が可能になる。いわゆる液化天然ガス(LNG)だ。LNGにすれば船舶を利用した輸送が可能になるが、安全関連の要求は極めて高い。記事は、輸送中にLNGが漏れた場合には「ただちに爆発し、船は破壊され人が死ぬ」と説明した。

記事によると、中国では「50トン以上のLNG」が「重大危険源」に指定されており、波止場や周辺住民の安全を保障するために、接岸などについて厳しい制限があるという。

LNGタンカーの歴史については「わずか40年」と紹介。LNGタンカーの建造は、1980年以前には欧米先進国の独占状態だったが、「1980年代になると、日本は欧米からLNGタンカーの関連技術や特許を導入した。1980年からは自国の船主のためのLNGタンカー建造を開始し、欧州の造船所とLNGタンカーの建造市場における競争局面が次第に形成された」と説明した。

1990年代になると、欧州の造船所はLNGタンカー建造での競争力を失った。代わりに台頭したのが韓国で、韓国の三大造船企業である大宇(テウ)造船海洋、三星(サムスン)重工業、現代(ヒュンダイ)重工業によるシェアは、全世界のLNGタンカーの70%に達したという調査結果もあるという。

記事は、LNGタンカーの建造に取り組んだ中国企業として、滬東中華造船を紹介した。中国ではLNGタンカーの建造が「ほぼゼロ」からのスタートだったので、知識を得るための「専門誌」の収集から始めたという。1998年前後には、LNGタンカーの建造に関する特許を持つ仏GTT社が接触してきたために、技術を紹介してもらい、何度も接触を重ねた上で、2000年には技術導入で合意に達した。

滬東中華造船はその後も、極めて重要かつ大量の技術的問題の解決を進め、2008年4月には14万7000立方メートル積みのLNGタンカー「大鵬昊」を船主に引き渡した。同船は、1度の航海で上海市民2300万人が1カ月に使用する量のLNG運搬が可能という。

滬東中華造船は全世界で13社目の、LNGタンカー建造技術を有する企業になった。2021年8月29日には、香港の船舶リース会社に17万4000立方メートル積みのLNGタンカー「木蘭」を引き渡した。

搭載量17万4000立方メートルはLNGタンカーとして世界の主流だが、滬東中華造船は現在、27万立方メートル積みのLNGタンカーを建造中だ。同タンカーは世界最大のLNGタンカーになる見込みで、4000万人が1カ月生活するのに必要な量のLNGを運搬できるという。

記事は、滬東中華造船が建造したLNGタンカーについて、韓国企業によるタンカーとは「まだ距離がある」との声が多いことについて「確かにそうだ」と肯定。韓国企業については「1990年代から建造を始め、米国の技術に支援された。世界最先端の素材を使うこともできた。中国にはそのような条件がなかった」と説明した。

記事は最後の部分で、中国がLNGタンカーについて自主開発と自主建造を続けていることは、「国家のエネルギー分野の安全を自らの手でしっかりと握ること」と主張した上で、「(外国の技術との)距離をはっきりと認識し、追いつく努力をする。中国のLNGタンカー技術は将来、ますます素晴らしくなると信じる」と表明した。(翻訳・編集/如月隼人)