テロ組織が無視してきた中国、「米国に代わる攻撃対象」と米誌、大国化し目立つ存在に

© 株式会社 Record China

かつてテロ組織が無視してきた中国が米国に代わる攻撃対象になっていると米誌・ニューズウィークが報じた。特に「パキスタンでは中国人や中国の権益が絡む施設に対するテロ攻撃が繰り返されている」と指摘。「大国化したことで目立つ存在になった」との見方を示した。

中国について同誌は「かつてのイスラム過激派は中国の存在を大して意識していなかった」と言及。「あの国際テロ組織『アルカイダ』の創設者ウサマ・ビンラディンでさえ、9・11テロ以前の段階では米国に対する敵意という共通項を持つ中国は、自分たちにとって戦略的な同盟国になり得ると発言していた。当時はまだ、中国も途上国の仲間とみられていた」と続けた。

一方で「今の中国は世界第2位の経済大国で、アフガニスタン周辺地域で最も目立つ存在になりつつある。当然、中国に対する認識は変わり、緊張も高まる」と説明。「それが最も顕著に見られるのがパキスタンだ。中国とパキスタンは友好関係にあり、戦略的なパートナーでもあるが、パキスタンで発生する中国人に対するテロ攻撃は、どの国よりも突出して多い」と述べた。

8月20日にはバルチスタン解放軍(BLA)が南西部グワダルで、中国人の乗る車両を攻撃する事件が起きた。BLAは2018年11月に最大都市カラチの中国総領事館を襲撃したことで知られる。グワダルでの8月20日の襲撃の前月にも、カイバル・パクトゥンクワ州のダス水力発電所で中国人技術者9人が襲撃され、死亡する事件があった。4月にはバルチスタン州で駐パキスタン中国大使がパキスタン・タリバン運動(TTP)に襲撃され、間一髪で難を逃れた。

こうした襲撃で犯行声明を出す集団の主張は多岐にわたり、この地域で中国の置かれた立場の複雑さを浮き彫りにしている。 一連の攻撃で最も衝撃的だったのはダスでの襲撃事件だ。中国筋は攻撃したのはTTPの協力を得た東トルキスタンイスラム運動(ETIM)とみている。ETIMの実体は定かでないが、新疆ウイグル自治区のトルキスタンイスラム党(TIP)を自称する組織と重なっていると推定される。

記事は「パキスタンで中国人や中国の投資案件を狙ったテロが急増している事態は、米軍のアフガン撤退を背景に、あの地域で中国を敵視する武装勢力が勢いづいてきた証拠だ」と断言。「米国が尻尾を巻いて逃げ出した今、権力の空白を利用して利権の拡大を図る中国に、テロリストが目を向けるのは当然のことだ。世界で2番目のスーパーリッチな国となった以上、中国はそのスーパーな責任を引き受けるしかない」と論評した。(編集/日向)