Nanfang Mediaリポート:中国が香港・マカオ経済を強化するマスタープランを推進

横琴の広東・マカオ密接協力区と銭海の深セン・香港現代サービス産業協力区

AsiaNet 91779(2173)

【広州(中国)2021年9月20日PR Newswire=共同通信JBN】Guangdong-Macao In-depth Cooperation Zone(広東・マカオ密接協力区)の行政組織が9月17日、発足した。Nanfang Media Groupのリポートによると、中国本土の地域の統治に特別行政区(Special Administrative Region、SAR)を関与させるのは、これまで前例のない動きである。

これは、横琴(Hengqin)に広東・マカオ協力区を開発し、さらに銭海(Qianhai)に深セン・香港協力区を開発するという9月5日と6日に発布された中国の計画に沿ったものであり、香港とマカオの発展を推進するため、より多くのスペースを提供することを目的としている。

広東・マカオ統合開発を促進するための新しいシステム

横琴は広東省の珠海市に位置し、マカオの真向かいにあり、マカオの3倍の106平方キロメートルの面積をカバーしている。

2009年に創設されたこのエリアは、マカオに経済発展のための新しいスペースを提供するよう計画されている。しかし、横琴の開発は、マカオにサービスを提供するという使命にもかかわらず、これまで主に珠海によって管理、運営されてきた。

今回の計画では、マカオの行政長官と広東省長が共同で率いる管理委員会が連帯して主要な計画、政策、プロジェクト、人員配置について決定を下し、執行委員会が協力区の経済と市民の福祉を管理する。

金曜日(24日)から、横琴にドライブしたいマカオの車所有者は、マカオでライセンス申請手続きを完了することが可能となる。一部の企業は既に最初のビジネスライセンスを取得しており、また香港とマカオの医師のグループが協力区での労働許可証を付与された。

中国国際経済交流センター(China Center for International Economic Exchange)のWang Fuqiang氏は「新しいモデルは、マカオを横琴の開発に動員、参加させることになろう。またマカオの企業にとってより適切で、マカオの住民にとってもより好ましい統合環境をも作り出すことになろう」と述べた。

さらに、横琴計画は、健康、現代金融、ハイテク、展示会と貿易、文化とスポーツ産業が優先されることを示唆している。協力区内の適格な産業および企業は、事業所得税に関して15%減税の対象となる。

中国開発研究所(China Development Institute)のGuo Wanda執行副社長は「協力区は、伝統的な中国医学(TCM、漢方)、観光、コンベンションなどの代表的な産業を発展させることにより、マカオの特長を維持する。これは、最近までギャンブル業界に過度に依存し、外部リスクに対して脆弱であったマカオ経済を多様化することを目指している」と語った。

Guo Wanda氏は、マカオの大学とその国家的主要ラボが集積回路、新素材、生物医学などの分野で研究を行ってきていると強調した。

Guo氏は「それらは必ずしもマカオの競争力ある産業ではないが、他の広東・香港・マカオ大湾区(Guangdong-Hong Kong-Macao Greater Bay Area)の都市との協力を通じて科学技術研究とハイエンド製造業を後押しすることになろう」と述べた。

銭海は香港の経済問題に取り組むために拡大

銭海計画によると、深セン・香港協力区は、現在の14.92平方キロメートルから120.56平方キロメートルへと8倍に拡張される。これは香港にとって限られたスペースに起因する幾つかの経済問題に取り組む機会と考えられている。

統計によると、香港に隣接する深センに位置する地域である銭海に登録されている香港投資企業は計1万1500社あり、これまでに銭海で使用されている香港投資は226億米ドルである。

中国の国家発展改革委員会(National Development and Reform Commission)のCong Liang副主任は「多くの香港の近代的なサービスプロバイダーが銭海を通じて中国市場に参入したが、彼らのニーズはまだ満たされていない。銭海の拡張は、より多くのスペースを提供するだけでなく、香港の優位性を最大限に発揮させるため、より多くの産業カテゴリーを巻き込んでいる」と語った。

Qin Weizhong深セン市長は、香港が資金提供する企業からの需要に応えるために、新たに移転した工業用地の3分の1を市が保証すると付け加えた。

さまざまなセクターに関与している香港拠点の企業LanKwai Fong Group(蘭桂坊グループ)のAllan Zeman会長は「これらの計画を通じ、中央政府が香港とマカオの発展に関心を持っていることが分かる。これらの計画は、広東、香港、マカオの経済を推進し、若者により多くの雇用機会を提供することになろう。香港、マカオ、その他の大湾区の都市間のつながりを強化する時が来た」と語った。

ソース:Nanfang Media Group

画像添付リンク:
Link: http://asianetnews.net/view-attachment?attach-id=401277
画像説明:横琴の広東・マカオ密接協力区と銭海の深セン・香港現代サービス産業協力区(写真:Nanfang Metropolis Daily)