メタリカの“ブラック・アルバム”が29年ぶりに全米TOP10に返り咲き

Photo: Mick Hutson/Redferns

米ビルボードによると、2021年9月10日に30周年記念盤がリリースされた、メタリカ(Metallica)のセルフタイトル・アルバム『Metallica』、通称『The Black Album』が、9月16日締めの最新全米アルバム・チャートにおいて、37,000枚(アルバム換算)の週間セールスで9位にランクインを果たし、29年ぶりに全米TOP10に返り咲いた。

動画:メタリカ“ブラック・アルバム”収録曲ビデオ

米ビルボードによる全米アルバム・チャート(Billboard 200)は、アルバム相当単位で集計された複数の項目の消費量に基づき、全米でその週に最も売れたアルバムをランク付けするものだ。これらの項目は、アルバムの実売セールス、楽曲トラックのアルバム換算(TEA)、ストリーミング再生のアルバム換算(SEA)で構成されており、アルバム1枚の実売、アルバム収録曲の10曲の販売ごと、アルバム収録曲のApple MusicやSpotifyプレミアムなどの有料サービスでの1250回ストリーミング、YouTubeや無料版Spotifyといった広告入り無料サービスでの楽曲およびビデオの3750回ストリーミングが、それぞれアルバム1枚相当として換算される。

メタリカのこの最新週に記録した37,000枚セールスのうち、アルバムの実売は29,000枚(前週比1,365%増)、SEAは約7,000枚(34%増、917万回のオンデマンド・ストリームに相当)、TEAは1,000枚(101%増)。尚、同アルバムの新旧すべてのフォーマットが、データ追跡およびチャート集計の対象となる。

1991年8月にリリースされ、その後4週にわたって全米1位を獲得したアルバム『Metallica』が、最後に全米TOP10入りを記録したのは1992年の8月だった。

『The Black Album』は、バンド史上商業的に最も大きな成功を収め、批評家からも高く評価されている名盤の一つだ。このアルバムで、メタリカは全米を含む世界10カ国以上で初のNo.1に輝いただけでなく、その後次々とリリースされた「Enter Sandman」「The Unforgiven」「Nothing Else Matters」、「Wherever I May Roam」「Sad But True」といったシングルのヒットによって、スタジアム級の会場でヘッドライナーを飾り、ラジオやMTVを席巻する有名バンドへとのし上がっていった。

また、メディアからの評価も同様で、1991年の米The Village Voice紙による年間アルバム・ランキング“Pazz & Jop”(数百人の音楽評論家から提出されたその年のTOP10リストから集計される)でTOP10入りしたのを皮切りに、英Rolling Stone誌による「500 Greatest Albums of All Time」(歴代最高のアルバム500選)でも常にその存在感を示すようになった。

2014年に全米累計セールスが1600万枚を突破した『The Black Album』は、音楽ソフト販売集計会社ニールセン・サウンドスキャンが1991年にチャート集計を始めて以来、過去30年間にリリースされた全ジャンルの作品の中で、最も売れたアルバムとしての揺るぎない地位を確立している。

Written By Tim Peacock

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